一期一会
(28)
「花譜の館・別館」へようこそ。
今日の花
冬
油点草
(ゆてんそう)
こと
杜鵑草
(ほととぎす)
1
ホトトギス
学名
Tricyrtis hirta
別名
油点草
(ゆてんそう)
トード・リリー
(Toad Lily)
分類
ユリ科 ホトトギス属
原産地
東アジア
草丈
10cm~1m
開花期
7月~10月
{ ホトトギスとは }
東アジアを中心におよそ20種が分布する毎年花を咲かせる多年草で、
そのうちの10種が日本に自生します。
茎が湾曲や下垂して花を咲かせる姿は風情があり、
山野草として人気の高い植物です。
斑点のある花びらが、ホトトギス(鳥)の
おなかにある模様と似ているためこの名前があります。
また、若葉に油染みのような斑点があるので、
ユテンソウ
(油点草)
の別名があります。
主な開花期は夏~秋で通常花びらは6枚あります。
杯状で上向きに咲くタイプと、釣鐘状で下向きに咲くタイプがあります。
種ごとに独特の個性があり、それもこの植物の魅力となっています。
種によって性質に差はありますが、全体としてはやや暑さによわく、
夏に葉が茶色く傷んで開花期に株姿が悪くなることも多々あります。
葉がきれいな状態で花を咲かせた姿は、ばしっ !と決まった雰囲気です。
属名のTricyrtis(トリキルティス)は「3つの距」という意味で、
花の基部に3つの距ができるところから付けられました。
距(きょ)とは花びらやがくが変化した
突起状の部分で中は空洞になっており、主に花の後ろ側にできます。
主な仲間に
ホトトギス
(T.hirta[国内自生種])
キバナホトトギス
(T.flava)
ショウロホトトギス
(T,fmacranta)
キバナノツキヌキホトトギス
(T.perfoliata)
タイワンホトトギス
(T.fomosana)
があります。
【ホトトギスとは・ヤサシイエンゲイ】による
杜鵑草打ち群る砌峡深し
(ほととぎすうちむるみぎりかいふかし)
注・それぞれ古語で
「うちむる」とは、集まる。むらがる。
「みぎり」とは、場所。
「かい」とは、はざま。山と山の間にははさまれた谷。またし水路。「峡谷」
の意
2
頻降るや七転八起の杜鵑草
(しきふるやしちてんはっきのほととぎす)
注
「しきふる」とは古語で、しきりに雨が降る。
「しちてんはっき」とは、ななころびやおき。
の意
3
4
杜鵑草逃げんばかりに花筐
(ほととぎすにげんばかりにはながたみ)
注・それそれ゛れ古語で
「にぐ(自ガ下二)」は、逃げる。避ける。
「ばかり(副助詞)+に(格助詞)」は、動作・作用の程度を表す・・・ほどに。・・・くらいに。
「はながたみ」とは、花や若菜をつみ入れるかご。花かご。
の意。
5
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・秋 によりますと
季語
杜鵑草
(ほととぎす)
時鳥草(ホトトギス) 油点草(ゆてんそう)
ホトトギス ユリ科
湿った林の中や沢沿いの崖などに、斜めに立つか垂れ下がって生え、数は少ない。花被片は6枚で地色は白だが、内側に紫色の円形か横長の斑点が密につくので全体が紫色に見える。この斑点を鳥のホトトギスの胸の斑点にたとえて同じ名がつけられた。実際はホトトギスの胸にあるのは黒い縞模様で、それならカッコウの名でもよいのだが、ホトトギスが選ばれたのは古人の命名の機微というつころか。ちなみに、鳥のホトトギスは 「 小さなカッコウ 」 、カッコウは 「 ふつうのカッコウ 」 という。また、同じ斑点から油転草の別命もある。
茎の長さ70センチほどの多年草で、上向きのあらい毛がある。花期は9~10月。花は葉腋 ( ようえき ) に
2、3個ずつ上向きに咲き、直径4センチほど。紫の斑点は、花弁の内側のほか、花糸や花柱にもある。関東、中部地方以西、四国、九州に分布する日本特産種である。
近年、栽培でよく見かけるものに台湾原産のタイワンホトトギスがある。丈夫で育てやすいが、これとホトトギスの雑種はさらに生命力が旺盛である。
旨、解説されています。
6
7
本ブログの画像の全ては、本年(2016年)撮影したもです。
撮影日時と場所は
2~5が、10月15日、北九州市立白野江植物公園
1が、11月2日、6、7が11月12日、福智山ろく花公園です。
杜鵑草については過去
2013年10月16日
2014年10月23日
2014年11月1日(白杜鵑草)
2015年11月7日
の
各URL
で投稿しています。
宜しければご覧下さい。
なお、6、7の撮影日が立冬の11月7日を過ぎていることから
題目の、四季の風景の季節を「冬」とさせていただきました。
俳句は10月15日の秋の画像に搭載していますので、季語どおり「秋」でお読みください。
ご完読ありがとうございました。
梨雨