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今日の一句(77)-寒牡丹(かんぼたん)-福智山ろく花公園

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今日の一句
(77)

花譜の館・別館」へようこそ。

寒牡丹
(かんぼたん)


イメージ 1



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カンボタン

蔵書の 草木花・歳時記・冬 によりますと

季語
寒牡丹
(かんぼたん)
冬牡丹
(ふゆぼたん)

寒牡丹 ボタン科
   ボタンはふつう初夏に咲くが、寒牡丹は初冬に花をつける変わりものである。実際には初夏と初冬の二季咲きの性質をもつたものを使い、初夏の蕾は切り取り、早く枝を充実させる。そして、初秋に葉を切り取ると、新芽が伸びて初冬に蕾ができる。これが寒牡丹の咲かせ方で、寒さで花が傷むのを防ぐためまた観賞のための演出でワラで霜よけをつけてさかせる。いくつかの品種があるが、花は小型で紅色のものがほとんどである。

冬牡丹
(ふゆぼたん)
   近年、各地に出現した冬季のボタンの各所で目にするのは、じつは「冬ボタン」とよぶものである。ふつうの春咲きのボタンの品種を促成栽培によって冬に咲かせ、一時的に植えこんで見せるもので、寒ボタンのように、二季咲きの性質をもったものではない。

   寒ボタンは1月から2月にかけてが見ごろで、寺院の庭などでよく見かける。

旨、解説されています。



寒牡丹無言の中の工なる
(かんぼたんしじまのうちのたくみなる)
注・それぞれ古語で
「しじま」とは、口をつぐんでいること。
「たくみ」とは、仕事。
の意。
本句は、美しい寒牡丹の傍で黙々と二人が語りもせず土作業をしているのを見て作句したものです。


イメージ 3


私見
学問上
寒牡丹と冬牡丹とは完全に種を別にします。

一概に冬牡丹は赤紫の暗色系が多く、地味と言えましょう。
それに比べて
冬牡丹は園芸品種も多く、花色も多く派手で見応えがあります。
しかし、
渋みというか、日本人の詫び、寂びをこのうえなく愛でる性質にあっては、
また、二期咲きの牡丹を手間暇かけて育て上げていることを思うと、
促成栽培の冬牡丹よりも
色は地味ながらも、寒牡丹に凱歌を上げたいと思うのは私だけでしょうか。

ただ、俳句界では柔軟に考えており、
寒牡丹、冬牡丹
については、現在は明確に区分することなく
作句しているのが実情です。

「寒牡丹」、「冬牡丹」
に興味のある方は右の検索欄に、それぞれを、打ちこんでいただければ、
詳細に作成方法なり、花の特徴なりが解説されており、
十分ご満悦いただけるものと思います。


イメージ 8


寒牡丹や水汲み車早まらず
(かんぼたんやみづくみぐるまはやまらず)
注・それぞれ古語で、
「みづくみぐるま」とは、水車。
「はやまる(自ラ四)」とは、必要以上に早くする。事を急いで、しそんじる。
の意

背景の水車が見えるでしょうか。

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イメージ 7

本ブログの画像は全て、今月(2016年11月)、福智山ろく花公園にて撮影したものです。
撮影日時は、
9のみが16日、他は12日
です。
ご完読ありがとうございました。
梨雨


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