花譜の館
SAKURA CONCERT
in
芦屋釜の里
春の宵
さくらコンサート
主催
芦屋町文化ふれあい事業実行委員会
芦屋町教育委員会
芦屋町
平成28年4月2日(土)
第2部
20 : 00 ~ 20 : 45
ヴィオラ : 森下香蘭 ピアノ : 岡直美
1
染井吉野と大茶室「蘆庵」
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2016年
4月1日(金)2日(土)
第1部 18時15分~19時00分
第2部 20時00分~20時45分
庭園「芦屋釜の里」で、恒例の春の定期演奏会が4月1、2日の夜
「春の宵・さくらコンサート・in 芦屋釜の里」
と銘うち、
ヴィオラの森下香蘭さん、ピアノの岡直美さん、
お二方をお招きし、演奏のもと、大茶室「蘆庵(ろあん)」において行われました。
私は、2日の夜、後半の第2部に入場しました。
明かりを落とした会場の座敷からは、
ライトアップされた池向かいの満開の2本の桜(染井吉野)と、その姿が水面(みなも)に映し出された夜景が
舞台と化した大廊下の窓ガラス越しに、演奏風景とともに大パノラマとなって展望されました。
演奏もさることながら、その背後に広がるこの春の夕べを賛美するお二方のトークが絶妙で、
なんともいえない幻想的な夜景に、春の調べとともに酔い痴れ、至福の一時に浸りました。
[まずは、当日朝に下見に訪れ、芦屋釜の里の風景を撮影しましたのでご覧ください。]
会場
の
芦屋釜の里
当日
4月2日
の
朝
2
陽光桜
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陽光を飲かむばかりの花のある
(やうくゎうをすかむばかりのはなのある)
注・「やうくゎう」とは陽光桜のこと。
それぞれ古語で
「すく」とは、食べる。飲み込む。の意味。
「ばかり」とは、動作、作用の程度を表わす・・・ほど。・・・ぐらい。を意味する副助詞。
「はな」とは、桜のことでここでは画像のとおり染井吉野のこと。
3
染井吉野と陽光桜
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4
手前は、「蘆庵」横の枝垂れ桜。奥は染井吉野です。
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釜と人気二分の染井吉野かな
(かまとにんきにぶんのそめいよしのかな)
5
「芦屋釜の里」が誇る「蘆庵」の池向かいの、二本の染井吉野で、
池の水面に影を浮かべています。
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御園生の茶室は暗し山桜
(みそのふのちゃしつはくらしやまざくら)
注
「みそのふ」とは古語で、
庭を意味する、「そのふ」の敬称。
本句の「茶室」とは、庭園・「芦屋釜の里」がもつ、小茶室・「吟風亭」の意。
6
茶室の「吟風亭」とその庭に生る山桜。
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7
コンサート会場の大茶室「蘆庵」の大廊下です。
大廊下の奥が演奏舞台で、「蘆庵」の外右手の陽光桜が廊下の窓ガラスに映り
あたかも、対称的に外左手にも陽光桜が咲いているように見えます。
また、廊下にも陽光桜の影が明るく映っています。
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岡直美さんが弾かれる電子ピアノです。
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コンサート2日目の4月2日・第2部当夜
9
「芦屋釜」の里の入場門の看板に貼られた、ヴィオラをあしらった印象的なポスターです。
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私が入園した時は、すでに夜の帳(とばり)が降りていました。
演奏は第1部を終了し、第2部開演時刻(20時)との合間の
19時10分ごろ
でした。
まず私は、立礼席に入り、抹茶を嗜(たしな)みました。
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立礼席には、この日のために、棚が設けられ、
豪華に竹筒にアレンジされて活けられた各種の椿、他等が並べられていました。
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抹茶と乾菓子
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立礼席を出た私は、第2部開演20時00分の10分前までの間を利用して、
ライトアップされた夜桜(染井吉野)が、鏡のごとく「蘆庵」の池の水面に映った幻想的な光景を
カメラにとらえました。
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入場時刻(19時50分)となり、「蘆庵」に入り、大広間の座敷に安座しました。
演奏舞台と化した廊下からは約3メートルのところの好位置でした。
ここで主催者側から、演奏時の携帯電話使用と撮影禁止が告げられ、座敷の灯りが落とされました。
すると、廊下の窓に、夜桜が水面に浮かぶ桜の影とともに浮き上がりました。
外での観る夜景に負けず劣らの美しさに圧倒されました。
直(じき)に、ヴィオラを手に森下香蘭さんが右手から現れ、
続いて岡直美さんが電子ピアノの席に着きました。
二方ともこの桜に合わせ、桜柄の着物をおめしになっておられました。
それぞれに、満開の夜桜を称える挨拶の言葉を述べられた後
春を題材にした、曲の演奏に入りました。
PROGRAM
(曲目)
1 さくらさくら幻想曲 平井康三郎
2 春の歌 メンデルスゾーン
3 愛の喜び クライスラー
4 春のメドレー
⑴ 春よ来い 相馬師風・作詞 弘田龍太郎・作曲
⑵ 初恋 石川啄木・作詞 越谷達之介・作曲
⑶ 花 武島羽衣・作詞 瀧廉太郎・作曲
⑷ この道 北原白秋・作詞 山田耕作・作曲
5 カプリス パガニーニ
6 春よ来い 松任谷由美
7 さくら舞う 森下香蘭
8 リベルタンゴ ピアソラ
アンコール
ウィーン我が夢の街 ヨハンシュトラウス二世
花の夜に水面揺るがす調べかな
(はなのよにみのもゆるがすしらべかな)
回想
心がうきたつ春の名曲ぞろいで、
それを奏でるヴィオラのソフトな響きが、軽快な電子ピアノの伴奏とよく調和していたように思えます。
春のメドレー
では、聴衆に向って、
「曲をご存知ならば、御一緒にお唄いください。歌詞が解らないのならハミングでも結構ですよ。」
と訴え、聴衆も合唱しました。
今までのアーティストにはない言葉でもあり特に印象に残りました。
ただ、私は後刻、春のメドレーの2番目の曲が、何であったかの記憶に自信がありませんでした。
一応、砂山の砂に腹這ひ・・・で始まる曲ではなかったかと、
インターネットで検索し、それが石川啄木の和歌「初恋」という曲だということを調べ上げました。
でも、実際に演奏した曲が、それであったかは、関係者に照会しみなければならず、
結果、「初恋」であったとの回答をいただき、自分の耳が確かであったことに歓喜しました。
という訳で自分史の、深い記憶の1ページを飾ることになりました。
お手を煩わせたことに感謝申し上げます。
第7曲目の「さくら舞う」は、松下香蘭さんオリジナルの曲で、
落花の舞(まい)から、さくらの輪廻転生(lりんねてんせい)を歌い上げたもので
折からの、荘厳な光景とあいまって朗々と奏でるヴィオラの調べに魅了させられました。
花よ聞け輪廻転生「さくら舞う」
(はなよきけりんねてんせい「さくら舞う」)
注・
「りんね」とは、古語では「りんゑ」
仏教語で、車輪の回転してきわまりないように、
衆生(しゅじょう)が三界六道の迷いの世界に生死を繰り返すこと。
「てんせい」とは、次の世で別の形に生まれ変わること。「てんしょう」とも。
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室内の照明が窓ガラスに映り、外の枝垂れ桜とともに見えています。
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このコンサートは、会場が大広間の座敷ともあって、間近にて演奏を聴くことができるもので、
大ホールとはまた違う、一種家庭的な雰囲気を味わった次第です。
ここ数年、春のコンサート時には、桜の花びらは散ってしまっており、
花のない葉桜だけの年が続いていただけに、
天恵というか舞台装置も完璧で、演奏も格段に冴えをみせたように思えました。
帰宅後も、初めて聴いたヴィオラのソロの心地よい音色と夜景の余韻が長く続いた後、
深い眠りへと誘(いざな)われました。
映りたるヴィオラの楽譜を花抱く
(うつりたるヴィオラのがくふをはないだく)
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演奏会終了後、窓ガラスに映ったヴィオラの楽譜を外の染井吉野とともに撮影したのですが
焦点をはっきりと、楽譜の五線譜に合わせることはできませんでした。
しかし、淡くは捕らえています。
係の方が譜台の片付けに入っており、時間的な余裕がありませんでした。
私の腕では、これが限界のようです。
この画像の挿入については、最後まで迷いましたが、句を補うため敢えてアップさせていただきました。
ご容赦の程を・・・。
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本ブログの画像は全て4月2日に庭園・「芦屋釜の里」で撮影したものです。
1~10は下見のための午前中
11~14はコンサート当夜
のものです。
ご完読ありがとうございました。
梨雨
熊本地震について
本ブログを作成したのは、4月16日未明の午前1時25分、あの熊本地震・本震の
マグニチュード7.3の激震の影響をまともに受けた後のことでした。
この北九州も震度4で、自宅の棚の書籍などが棚から落ちました。
今では前震と言われている、4月14日午後9時26分のマグニチュード6.5をはるかに超える
強烈な揺れを感じるものでした。
この前震の時も、前回投稿の北九州の現代遺産・世界平和パコダのブログを作成中のことでした。
16日は、その後の地震情報が流れる度に玄関に走り、
余震の揺れの恐怖におびえ耐えつつとうとう朝まで一睡もできませんでした。
私が過去体験した地震の回数の総数を軽く上回りました。
私でさえこのありさまで、それを考えると現地の方の恐怖がいかばかりかと思わずにはいられません。
この震災で犠牲となり亡くなられた方に対し謹んで哀悼の意を表します。
また、犠牲者のご家族、並びに被災され怪我をされたた方々
避難され苦しい生活を余儀無くされている方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
明日、微々たるものですが、義援金を役所に届けたいと思います。
中九州で発生し、九州全土を襲(おそ)う忌まわしいこの地震が一日も早くおさまることを祈らんばかりです。
4月17日
今も続く余震の中で
(山塔梨雨)
こと
ルリの川蝉
より