今日の一景
(351)
「花譜の館・別館」へようこそ。
稔りの風景
冬
南天
(なんてん)
の
実
暮るるほど色濃く染むや実南天
(くるるほどいろこくそむやみなんてん)
[注・それぞれ古語で
「くる」とは日が落ちて暗くなる。暮れる。夕方になる。季節が過ぎる。年が終わる。
「そむ」とは染まる。
の意]
1
南 天
(なんてん)
の
実
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・冬 によりますと
季語
南天の実
(なんてんのみ)
実南天
(みなんてん)
ナンテン メギ科
庭先で、紅葉と緑葉が織りなす枝先にたわわにみのる真っ赤なナンテンの実は、冬の風物詩である。ナンテンは 「難を転ずる」 に通じ、縁起木 ( えんぎもく ) としてさかんに植えられるし、慶事の飾りにも使われる。
高さ1~3メートルの常緑低木。株立ちになり、成長は速いが、幹の直径はせいぜい3センチ止まり、葉は3~4回羽状に分岐する複葉で長さ40~50センチ、葉柄 ( ようへい ) の基部は鞘 ( さや ) になる。花期は5~6月。花は白色で、3枚ずつ組みになった多数のがく片と6枚の花弁がある。(なんてん の花は夏の季語 ) 。果期は11月~1月。果実は球形で直径6~10ミリ。ナンテンの実は生薬で南天実 ( なんてんじつ ) といって咳止めに用いられるが、実が白くなる変種のシロミナンテンが良質とされる。本州 ( 中部以西 ) から九州までに野生するが、本来の自生かどうかはよくわからない。中国中部やインドに分布する。
旨、解説されています。
2
3
4
彩ひける女の佇み実南天
(いろひけるをんなのたたずみみなんてん)
注・それぞれ古語で
「いろふ」とは美しい色になる。美しくいろどる。
「たたずみ」とは自分の立場。立つ瀬。実のおきどころ。
裏鬼門
風水の上で、
家の中心からみて
南西が裏鬼門で赤い実のナンテンを置くことが邪気を払うとされる。
南西・坤(こん)は女性にとって大切な方向。
穏やかさ、静けさ、女性らしさをあらわす赤で、全体で丸みを帯びたものを置くことを勧めている。
ちなみに表鬼門は北東の方向で
白い実のナンテンを置くように勧めているが、白い花、増してピンクががった花が一番とのことである。
本句は
南西が女の居場所実南天
↓
着飾りて女の立ち位置実南天
を経て、文語調に仕上げました。
5
6
実南天今年の終を祭りけり
(みなんてんことしのつひをまつりけり)
[注・それぞれ古語で
「つひ」とは終わり。最後。また死ぬこと。
「まつる」とは(神霊を招き迎え)捧げ物や歌舞などを奉納して慰める。鎮める。お祭りする。
後には仏や魂などに対してもいう。
の意]
7
本ブログの画像は全て北九州市立白野江植物公園・入り口広場のもので
2~4は本年11月9日
1、5~7は12月6日
撮影したものです。
ご完読まことにありがとうございました。
梨雨