今日の一景
(320)
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四季の風景
秋
吾亦紅
(われもこう)
荒山に一世風靡の吾亦紅
(あれやまにいっせいふうびのわれもかう)
[注・「いっせい」とはその時代。当代。当世。
「ふうび」とは風が草木を吹き靡かせるように、大勢の人をなびき従わせること。の意]
1
ワレモコウ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
ワレモコウ
[吾亦紅]
学名
Sanguiorba officianalis
分類
バラ科 ワレモコウ属
開花時期
7~11月
花の色
赤、紫
名前の読み
われもこう
分布
北海道から九州
海外では、朝鮮半島、中国、シベリア、ヨーロッパなどに分布する。
生育地
野山の草原
植物のタイプ
多年草
大きさ・高さ
30~100センチ
花言葉
愛慕、変化
誕生花
8月23日
花の特徴
枝分かれした茎の先にも楕円形をした赤紫色の花舗をつける。1つの花は4枚の萼からなり、花弁はない。花穂の上から順に咲く。
葉の特徴
葉は茎の下部につくか、根際から伸びる。奇数羽状複葉 ( 鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される ) で、5枚から13枚で1組となる。小葉の形は長めの楕円形である。茎につく葉は互い違いに生える。
実の特徴
花の後にできる実はそう果 ( 熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの ) である。
その他
漢字では 「 吾亦紅 」 「 割木瓜 」 「 我毛香 」 などの文字も充てられる。根茎は黒褐色で太く、生薬の地楡 ( じゆ ) となる。下痢止めや、傷の止血、やけどに効くとされる。また、若葉は食用となり、和え物、油いため、佃煮などにする。
旨、解説されています。
吾亦紅迷彩成して山と化す
(われもかうめいさいなしてやまとかす)
2
3
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・冬 によりますと
季語
吾亦紅
(われもこう) (われもかう)
吾木香
(われもこう)
ワレモコウ バラ科
秋の高原に細い茎を伸ばし、先に団子のような゛花"をつけて風に揺れるワレモコウは、いかにも淋しげである。若山牧水は
吾木香すすきかるかや秋くさの さびしききはみ君におくらむ
と歌った。団子のように見える花は、じつは多数の花が集まった花序、いわば偽花 ( ぎか ) である。花そのものは直径2~3ミリ、花弁はなく暗紅紫色の4枚のがく裂片が花の主体をなす。ワレモコウは吾木香とも書き、木香 ( もっこう { キク科 } ) のにおいにちなんでつけられたと伝えられる。スイカグサともよばれるように、若芽をもんで嗅ぐとスイカに匂いはするが。木香の香りにはほど遠い。私にはガクだけの花が、吾もまた紅い花だ、と主張しているように思えてならない。
茎の高さは30~100センチ、日本からヨーロッパにまで広く分布する。
旨、解説されています。
4
灯台下暗し目前に吾亦紅
(とうだいもとくらしもくぜんにわれもかう)
[注・「とうだいもとくらし」とは、身近なことはかえって分りにくいことのたとえ。]
5
吾は変人さにあらずかくの如し
(われはへんじんさにあらずかくのごとし)
ご完読ありがとうございました。
日陰の花にもっと光を!
梨雨