蔵出しの花
(12)
男郎花
(おとこえし)
一人住や月の影さす男郎花
(ひとりずみやつきのかげさすおとこへし)
[注・それぞれ古語で、「ひとりずみ」とは単独で暮らすこと。ひとりずまい。
「かげ」とは光。の意]
ここは「独り居」として語調を整えたかったのですが、古語には「ひとりい」の語はありませんでした。
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オトコエシ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
オトコエシ
[男郎花]
学名
Patrinia villosa
開花時期
8~10月
花の色
白
名前の読み
おとこえし
分布
北海道から九州
朝鮮半島や中国
生育地
日当たりの良い草地や林の中
植物のタイプ
多年草
大きさ・高さ
50~100センチ
花言葉
慎重、賢明
花の特徴
茎の上部で枝分かれをして、散房花序 ( 柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる ) を出し、白い小花をたくさんつける。1つⅠつの花は合弁花で、先が5つに裂けている。雄しべは4本、花柱 ( 雌しべ ) は1本である。
葉の特徴
実は楕円形で、向かい合って生える ( 対生 ) 。下部につく葉は羽状に裂ける。
実の特徴
花の後にできる実はそう果 ( 熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの ) で、うちわ状の翼がある。
その他
和名の由来は、オミナエシと対比さてつけられたもので、花の色が白く地味で茎や葉はオミナエシより大きく、男性的な感じがするというところからきている。全草干したものを生薬で敗醤 ( はいしょう ) といい、解毒剤とされる。俳句の季語は秋である。属名の Patrinia はフランスの植物採集家 「 パトラン ( E. L. M. atrin ) の名からきている。種小名の villosa は 「 軟毛のある 」 という意味である。
旨、解説されています。
野分来てすでに影なき男郎花
(のわききてすでにかげなきおとこえし)
注、「のわき」とは古語で「のわけ」とも、(野の草を吹いて分けることから)
秋、二百十日、二百二十日ごろに吹くはげしい風。台風。
秋9月の季語
秋の疾風のことで、颱風やその余波の風ともいえる。野の草を吹分けるという意味である。
塀や垣根を倒して通り過ぎた野分跡の空は青い。野わけ。
【ホトトギス新歳時記より】
「かげ」とは姿・形の意
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俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・秋 によりますと
季語
男郎花
(おとこえし) (おとこへし)
おとこめし
米花
(こめばな)
オトコエシ オミナエシ科
オミナエシに似ているが、白い花が咲く。オミナエシよりも毛深く豪壮な感じがすることから男郎花の名がつけられたのだろう。花期は8~10月。枝先の花を米飯とみれば、オトコエシは男飯だと納得できる。
高さ80~100センチの多年草。夏から秋にかけて、地下茎の節から1~10本の長い匍匐枝 ( ほふくし ) を伸ばし、その先に新しい根生葉 ( こんせいよう ) を生じ、子株として独立する。すると、親株は子株からの見返りを当てにすることなく、越冬前に枯死してしまう。何やら現代の世相を思わせる生活史である。私はこんな多年草を、分離型の多年草とよんでいる。
旨、解説されています。
短きも多少の縁男郎花
(みぢかきもたせうのえんおとこへし)
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女郎花の浅黄尽くすや男郎花
(おみなへしのあさぎつくすやおとこへし)
[注・それぞれ古語で、「あさぎ」とは染め色の名。薄い黄色。
「つくす」とはきわめる。その極までたっする。の意]
6
この投稿は、あるブロ友様のコメントに応えたものです。
この、男郎花 ( おとこえし ) は台風15号により倒れてしまい、もうありませんでした。
いつでも、より良い撮影ができると思って、
入念な撮影を、先延ばしにしていましたので、絶望の一言です。
ただ、簡単な撮影は、ストックの意味もこめて行っていました。
今はなきこの男郎花を偲ぶため、
ありき日の画像を探しにさがしまくり、ようやく発見できました。
撮影が粗く、未熟なことについてはご容赦をいただきたいと思います。
本画像は、1本だけ生っていたものを2013年8月26日、北九州市立白野江植物公園にて撮影したものです。
蔵出しの花
にこれほどふさわしいものはないと思います。
どうか、その辺の事情をお汲み取りいただければ、それにこしたことはありません。
もう一つ心残りは、花の谷の
銅葉フジバカマ
が倒壊したことです。
この花に来る蝶の青筋アゲハとのコラボレーションは見事でした。
ただ、頂上の花に止まったところを狙っていたのですが、
うまく止まってくれず、「また来年もあるさ」と、これまた先延ばしにしていました。
花の下を舞っているところはしとめておりますが、あまり芳しくはありません。
花畑の斜面に、まだ1本あることはあるのですが、蝶は来ません。
現在懸命に画像を探しております。
もう、花の谷の銅葉フジバカマがないとなると、この画像を発見して、お見せするしかありません。
発見できれば、すぐさま投稿したいと思います。
その時は宜しくお願い致します。
以上「花譜の館・別館」より
梨雨