今日の一景
(303)
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四季の風景
秋
中秋
の
名 月
(9月27日夜の月)
斜なれど何処も同じ今日の月
(はすなれどいづこもおなじけふのつき)
注
解釈
縁側で名月の月見をしている時、親友が来て首座を譲って、その横から月見したが、
少しの移動で斜めから見ることになっても、全く変わらない名月の姿だ。
1
名月
(めいげつ)
陰暦8月15日、仲秋の月をいう。
明月、望月、満月、今日の月、月今宵などともいう。
このころは秋たけなわ、咲き乱れる秋草、泣き競う虫、葉ごとの露がそれぞれ澄み渡る月に趣きを添える。
1年中でもっとも月の美しい夜である。
十五夜はこの夜のことであるが、十五夜の月として句にする場合も多い。
新芋を供えて月を祭るところから芋名月 ( いもめいげつ )ともいう。
ホトトギス・新歳時記より
2
明月の心で胸襟開きけり
(めいげつのこころできょうきんひらきけり)
注
[「きょうきん」とは胸とえり。転じて胸。胸のうち
「胸襟を開く」とは心の中を打ち明ける。の意]
名月もいつしか河の西向こう
(めいげつもいつしかかはのにしむかふ)
名月や思ひの丈をつづりたる
(めいげつやおもひのたけをつづりたる)
[注
「思ひの丈をつづる」とは、恋しく慕わしく感じるその気持ち。の意]
筑紫野の空澄み渡る良夜かな
(ちくしののそらすみわたるりゃうやかな)
3
十五夜の裏をも光るものじゃなし
(じゅうごやもうらをもひかるものじゃなし)
注
今年は、9月28日の夜の十六夜(いざよい)の月が
ほぼ真円の
満月で、地球に大接近するため
巨大な、「スーパームーン」、と言われています。
中秋の名月の十五夜は必ずしも満月ではなく、例年2日以内のずれがあります。
ご完読まことにありがとうございました。
梨雨