今日の一景
(297)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
夏
灸花
(やいとばな)
こと
屁糞葛
(へくそかずら)
灸花心ひとつも着飾らず
(やいとばなこころひとつもきかざらず)
1
ヘクソカズラ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
ヘクソカズラ
[屁糞葛]
学名
Paederia scandens
分類
アカネ科 ヤイトバナ属
開花時期
7~9月
花の色
白
名前の読み
へくそかずら
分布
北海道から沖縄
朝鮮半島、台湾、中国、インドシナ半島、インドなどに広く分布する
生育地
道端や空地
植物のタイプ
大きさ・高さ
-
花の特徴
葉の脇から短い集散花序 ( 最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく ) を出し、白い花を疎らにつける。花冠は長さ10ミリくらいの釣鐘状で、先は5つ裂ける。同部は白く、中央が紅紫色をしている。
葉の特徴
葉は楕円形ないし細めの卵形で、向かい合って生える ( 対生 ) 。葉の先は尖る。茎は長く伸びて蔓になり、左巻きで他のものに絡む。
実の特徴
別名を灸花 ( ヤイトバナ ) ともいう。名の由来は、草全体がいやなにおいを放つ蔓性の植物ということからきている。万葉の時代にも 「 くそかずら 」 の名で詠まれているが、それに 「 屁 」 もついたわけである。灸花 ( ヤイトバナ ) のほうは、花の中心部の形がお灸の跡に似ているところからきいいる。
旨、解説されています。
2
3
4
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
綺語
灸花
(やいとばな)
へくそ葛
(へくそかずら)
早乙女花
(さおとめばな)
ヘクソカズラ アカネ科
道端の茂みや生垣など、人家近くに生えるありふれた蔓草である。かわいい花に似合わず、茎や葉にいやな匂いがあるので、屁糞葛 ( ヘクソカズラ ) のほうが一般には通りがよい。ふつうの花に比べて色の配置が逆で、ふちや外側が白くて内側が濃赤色になっている。この色の取り合わせ、火のついたお灸 ( やいと ) や灸をすえた跡に見立ててヤイトバナの名がある。またこの名は、筒形の花を手の甲に置くと、お灸のもぐさの形に似ているから、という説もある。そういえば、早乙女花というかわいい名もついている。
上から見て右巻きの蔓性植物。蔓は数メートルも伸び、大部分は秋には枯れるが基部は木質になって肥大する。花期は7~9月、葉腋 ( ようえき ) の小さな集散花序に、10花前後が次々と咲く。実は光沢のある黄褐色、球形で、冬を越しても枯れた蔓に残っている。北海道から九州までのほか中国、と東南アジアに広く分布する。
と解説されています。
掻い付きて生くる宿運灸花
(かいつきていくるしゅくうんやいとばな)
[注・「かいつく」とは古語で、とりすがる。抱きつく。しがみつく。
「しゅくうん」とは仏教語で、前世から定まっている運命。の意]
5
灸花小紫をば服へり
(やいとばなこむらさきをばまつろへり)
[注・それぞれ古語で、「をば」とは[格助詞を+係助詞は=をは、の濁音化したもの]で
動作・作用の対称を強く示す。
「まつろふ」とは服従する。の意]
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7
8
ご完読あがとうございました。
梨雨