蔵出しの花
(8)
鹿の子百合
(かのこゆり)
山路来てあさむ色濃き鹿の子百合
(やまぢきてあさむいろこきかのこゆり)
[注・それぞれ古語で
「やまぢ」とは、山の道。山みち。
「あさむ」とは、びっくする。大変に驚く。
の意]
1
カノコユリ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
カノコユリ
[鹿の子百合]
学名
Lilium speciosum
分類
ユリ科 ユリ属
開花時期
7~8月
花の色
白、ピンク
名前の読み
かのこゆり
分布
四国から九州
台湾の北部と中国の江西省
生育地
海岸の岸や山中の岩場
植物のタイプ
多年草
大きさ・高さ
100~150センチ
花言葉
衰えることがない華やかさ
花の特徴
茎先で枝分かれをして、数個から10数個の花をやや下向きにつける。花径は8センチから10センチくらいあり、花びら ( 花被片 ) は反り返っている。花の色は白ないし淡い紅色で、内側に赤い斑点がある。雄しべは6本、雌しべは1本である。
葉の特徴
葉は線形で長さが10センチから18センチくらいあり、革質で艶がある。
実の特徴
花の後にできる実はさく果 ( 熟すると下部が裂け、種子が散布される果実 ) てある。
その他
和名の由来は、花の斑点を鹿子絞りに見立てたものである。環境省のレッドリスト ( 2007 ) では絶滅危惧Ⅱ類 ( VU ) に登録されている。自生地は限られており、四国では愛媛、徳島の山間部、九州では薩摩半島から熊本、長崎、福岡の海岸線や薩摩川内市の甑島、佐世保市の南九十九島などに生える。薩摩川内市、佐世保市、魚津市などが 「 市の花 」 に指定している。シーボルトがヨーロッパに紹介し、オランダで品種改良が行われて、カサブランカなどが生まれた。鱗茎には食用になる。また、生薬では百合 ( ひゃくごう ) といい、滋養強壮、利尿、咳止め、解熱、消炎などの薬効がある。ドヨウユリ ( 土用百合 ) 、タナバタユリ ( 七夕百合 ) などの別名がある。開花時期にちなんで名づけられたものであろう。俳句の季語は夏である。属名の Lilium はギリシャ語の 「 leirion ( 白 ) 」 からきている。マドンナリリーの白い花を念頭に名づけられたものである。種小名の speciosum は 「 華やかな 」 という意味である。
旨、解説されています。
2
鹿の子百合オランダ坂は今日も雨
(かのこゆりオランダざかはけふもあめ)
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8
憂愁やマドンナの顔の見へぬまま
(いうしゅうやマドンナのかほの見えぬまま)
注
「いうしゅう」とは、悲しんで心をいためること。悲しみもだえること。
「マドンナ」とは鹿の子百合の別名、マドンナリリーを擬人化したもの。
9
本ブログの画像は、1、9が本年7月25日
2~8が本年8月1日
いずれも福智山ろく花公園にて撮影したものです。
なお、昨年8月5日に北九州市立白野江植物公園にて撮影した、鹿の子百合を
URL
にて投稿しています。
よろしければご覧ください。
以上「花譜の館・別館」より
ご完読まことにありがとうございました。
梨雨