今日の一景
(268)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
夏
夕萓
(ゆうすげ)
夕すげや残りたる有明の月
(ゆうすげやのこりたるありあけのつき)
[注・「ありあけのつき」とは古語で、夜があけても、まだ空に残っている月。陰暦で16日以後の月。残月。の意]
1
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ユウスゲ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
学名
Hemerocallis thunbergii
分類
ユリ科 ワスレグサ属
開花期間
6~7月
花の色
黄
名前の読み
ゆうすげ
分布
本州から九州
海外では、中国にも分布する
生育地
山地の草原や林の縁
植物のタイプ
多年草
花の特徴
長さ10センチくらいの6枚の花びらは先が軽く反り返る。花の中央には6本の雄しべと1本の雌しべがある。茎先で枝分かれをして、10輪くらいの花を次々と咲かせる。
葉の特徴
長さ40センチから60センチくらいの線形の葉が2列に交互に出て、扇型になる。
その他
夕方に開花し翌日の昼には閉じるところからこの名がついた。漢字では 「 夕菅 」 とも書く。別名を黄萓 ( きすげ ) という。これはレモンイエローの花の色からつけられた名である。萓 ( すげ ) は葉の形が萓 ( スゲ ) に似ているところからきている。ワスレグサ属の他の仲間と同様に1日花だが、他のものは朝開くのに対して夕萓 ( ゆうすげ ) は夕方に開くところに違いがある。
旨解説されています。
遠目にも夕菅清し花の谷
(とほめにもゆうすげきよしはなのたに)
[注・それぞれ古語で「とほめ」とは遠方から見ること。また、そのながめ。状態。
「きよし」とは清らかで美しい。の意]
2
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俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
季語
夕菅
(ゆうすげ) (ゆふすげ)
黄菅
(きすげ)
ユウスゲ ユリ科
夏の花原の黄菅はあけぼのの山頂よりもやや明くして
与謝野晶子
この「黄菅」は、ユウスゲの別名、名のとおり、夕方に明るい黄色の花を開いて、翌朝 ( 午前中くらい ) まで咲き続け、芳香を発して虫を誘う。同じ仲間ニッコウキスゲが昼咲きで香りを出さないのとは対照的であり、したがって自然界で両者の雑種ができる心配はない。葉が細長いことから菅 ( すげ ) の名がついたが、もちろんカヤツリグサ科のスゲの仲間ではない。
草地や林縁に生える高さ50~100センチの多年草。標高400~1500メートルの範囲に生え、ニッコウキスゲより上限は低い。花期は7~9月。花序の軸が長く、花被筒 ( かひとう ) も目立って長いのが特徴。日本の固有種で、本州 ( 関東地方以西 ) から九州までに分布する。
旨解説されています。
未練かな朝に夕すげ萎やで
(みれんかなあしたにゆふすげしなやで)
[注・それぞれ古語で、「あした」とは朝。「しなゆ」とは萎む。の意]
解釈
未練なのだろうか。今朝は夕菅も開いたまま萎まないではないか。
3
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ご完読ありがとうございました。
梨雨