今日の一景
(266)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
夏
時計草
(とけいそう)
因縁は打ち絶えがたし時計草
(いんねんはうちたえがたしとけいそう)
[注・それぞれ古語で、「いんねん」とはゆかり。縁故。由来。
「うちたゆ(自ヤ下二)」とは(交通や交際などが)ぷっつり絶える。とだえる。
「がたし(接尾ク型)」とは動詞の連用形について形容詞をつくり、・・・するのが困難だ。・・・しにくい。の意]
1
トケイソウ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
学名
Passiflora caerulea
分類
トケイソウ科 トケイソウ属
開花時期
6~9月
花の色
白、ピンク、青
名前の読み
とけいそう
分布
原産地はブラジル
生育地
庭植え
植物のタイプ
つる性
大きさ・高さ
3~6メートル
花言葉
情熱的に生きる
誕生花
6月27日
花の特徴
萼片と花弁がそれぞれ5枚ずつあり、同じ色と形なので10枚の花びらがあるように見える。副花弁が水平に放射状に開き、時計の文字盤のように見える。色は白いが、ピンクが交じったものなどがある。
葉の特徴
葉は手のひら状に深く裂け、互い違いに生える ( 互生 ) 。小葉の形は長い卵形で、縁にぎざぎざ ( 鋸歯 ) はない。
実の特徴
花の後にできる実は楕円形の液果 ( 果皮が肉質で液汁が多い実 ) で、オレンジ色に熟する。
この花について
属名のPassifloraはラテン語の 「 flor della passione ( 情熱の花 ) 」からきている。雌しべの柱頭をはりつけにされたキリストにたとえ、放射状の副冠花をキリストの後光にたとえた。種小名の caerulea は「青色の」という意味である。
その他
日本へは江戸時代の初期に渡来。和名の由来は、3つに分裂した雌しべが時計の針のように見えるところからきている。英名はパッションフラワー ( passion flower ) である。この場合のパッションは「キリストの受難」を意味する。これは、花の形を十字架にかけられたキリストに見立てたものである。また、トケイソウ属の中には果樹栽培用のものもあり、果実はパッションフルーツ ( passion fluit ) と呼ばれる。
旨を解説しています。
これでいいのさ撮影時刻がわかるだろう
(これでいいのささつえいじこくがわかるだろう)
注
原句は語調を整えた
この写真撮影時間わかるはず
でしたが
ここは自由律のほうが良く理解できると判断しました。
2
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
季語
時計草
(とけいそう) (とけいさう)
トケイソウ トケイソウ科
時計の文字盤を思わせる花形が特徴。享保18(1733)年に伊藤伊兵衛政武 ( いとういへえまさたけ ) が著した 『 地錦抄附録 ( ちきんしょうふろく ) 』 に記録されており、江戸時代初期には渡来していたらしい。同書に図と解説があることから、当時から花形が珍しがられたのがわかる。
蔓性の多年草。ブラジルからペルーの熱帯地域が原産地だが、意外に耐寒性があり、東京以南では戸外でよく育ち、太い蔓に生って冬越ししている株もある。枝は細く、掌状に3~7裂する葉を互生し、巻きひげで他のものにからんで伸びていく。
淡紫色から白色をした直径10センチ前後の花は、夏から秋にかけて咲く。花弁と花弁状になったがくが、それぞれ5片ずつ、交互に外周に配置され、その中央に副花冠が放射状に広がって時計の文字盤に見える。中心にある雌しべの形も独特で、これを時計の針に見立てた。
暖地では果実が黄色く熟し、仮種皮 ( かしゅひ ) は甘いが、果実として生食したりジュースにしたりするのはオオミノトケイソウ や クダモノトケイソウ ( パッション・フルーツ ) で、八丈島や九州以南でないと果実が多量に実らない。
と解説されています。
絡繰りを直し立てたし時計草
(からくりをなほしたてたしとけいさう)
[注・それぞれ古語で、「からくり」とは仕掛け。装置。
「なほしたつ」とは正しいもとの状態にする。修理する。の意]
3
本ブログの画像は
本年5月24日
折からのバラフェアをよそに
北九州市若松区のグリーンパークの熱帯生態園、第2温室の壁の周囲
にて撮影したものです。
昨年からみても、手入れもされていないことは歴然としており
職員からも忘れさられた存在で、
放置された状態です。
過去の豪華な栄華を知る観客もまだかなりおり
切に、この時計草の復活を要望するものであります。
1915年6月。
(山塔梨雨)
昨年6月27日投稿
の
トケイソウ
(時計草)
の
URL
は
です。
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ご完読まことにありがとうございました。
梨雨