今日の一景
(249)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
春
野田藤
(のだふじ)
こと
フ ジ
(藤)
短くもいと早も藤の咲きぬるか
(みじかくもいとはやもふぢのさきぬるか)
[注・それぞれ古語で、
「も」は、上の事柄を強調したり含みをもたせたりする意を表す係助詞、
「いとはやも」とは、たいそう早くも
「ぬる」とは完了の助動詞「ぬ」の連体形
「か」とは、連体形と接続する、詠嘆(なあ)の意味をもつ終助詞]
解釈
(房の)短いながらも、たいそう早くも藤の花が咲いたものだなあ
1
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ノダフジ
(野田藤)
インターネットの ウィキべディアフリー百科事典 によりますと
フジ
(藤)
目
マメ・Fabales
科
マメ・Fabaceae
亜科
マメ・Faboiideae
蓮
フジ・Millettieae
属
フジ・Wisteria
種
フジ・W.floribunda
学名
Wisteria floribunda
( Willd.) DC
シノニム
Kraunhia floribundas ( Willd.) Taub
Rehsonia floribunds ( Willd.) Stritch
英名
Japanese wisteria
品種
シロバナフジ W.f. f.alba
アケボノフジ W.f. f.alboroseae
フジ
フジ ( 藤 ) は、マメ科フジ属のつる性落葉木本。ノダフジ ( 野田藤 ) ともいう。
ノダフジ ( 野田藤 ) の名は、この種が植物学者の牧野富太郎により命名されるきっかけとなった、フジの名所であった大阪市福島区野田にちなんでいる。 ( 同区玉川の春日神社には、野田の藤石碑が建立されている。
形態・生態
蔓は木に巻きついて登り、樹冠に広がる。蔓の巻き方は、右巻き ( 上から見て中心から外側へ時計回りに見える巻き方 ) で、かなり太くなる。ヤマフジとは蔓の巻き方が逆。
花序は長くしだれて、20cmから80cmに達する。花はうすい紫色で、藤色の色名はこれに由来する。他のマメ科植物同様、夜間は葉をすぼめる。
分布・生育地
日本固有種で、本州・四国・九州の温帯から暖帯に分布する。低い山地、平地の林に普通。
人間との関わり
一才藤 ( いっさいふじ ) として園芸用に流通する鉢がある。樹高50cmくらいの、鉢植えや盆栽にして愉しむための一才物のフジ。
公園などに植えるときは木や竹、鉄棒などで藤棚と呼ばれるパーコラを設置し、つるを這わせる場合が多い。開花時には隙間から花が垂れ下がるように咲く。
花は天ぷらなどにすることができる。
他のつる性植物同様、茎を乾燥させて椅子などの家具に加工されることもある。
と説明されています。
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野田藤の一途に地を掛く房の先
(のだふぢのいちづにぢをかくふさのさき)
[注・それそれ古語で、「いちづ(ナリ)」とはひたすらに思うこと。ひたむき。
「かく」とは目差す。の意]
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藤房の蔓諸友に溢れをり
(ふぢふさのつるもろともにこぼれをり)
[注・それぞれ古語で、「もろともに」とは副詞で、そろって。いっしょに。
「こぼる」とは、流れ出る。こぼれる。はみ出す。の意
「をり」とは動詞の連用形に接続する補助的自動詞(ラ変)で、動作、状態の継続を表わす。]
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俳句上
いつもの 花の俳句図鑑 によりますと
季語
藤
(ふじ) (ふぢ)
藤棚(ふじだな) 藤房(ふじふさ) 藤波 野田藤 藤の花
八重藤 山藤 野藤(のふじ) 白藤(しらふじ)
フジ マメ科
[植物・特徴]
日本固有のつる性植物。本州、四国、九州の山野に自生するほか、鑑賞用に藤棚をつくって栽培される。4~5月、紫色の小花が多数咲き、枝の先から20~50cmほどの房となって垂れ下がる。園芸品種には白い花や淡紅色の花をつけるものもある。花の房がやや短く、つるが左(上から見て反時計回り)に巻くヤマフジも日本固有種であり、本州中部以西、四国、九州に自生する。
[歴史・文化]
古来より日本人の心をとらえてきた花で、『万葉集』に27種が詠まれている。この時代にはすでに庭で栽培されていた。昔から縄や細工物など実用的な利用もされ、『古事記』にはフジのつるから衣服や弓をつくったという記述がある。
平安時代には鑑賞価値がきわめて高まり、「藤見の宴」が貴族たちの間で盛んに催されるほか、『源氏物語』などの文学にも大きく登場する。『枕草子』に「藤の花は、しなび長く、色濃く咲きたる、いとめでたし」という文がある。
[作句のポイント]
「春のなごり」の花。藤棚につくられるものはノダフジが多く、花房が長い。本州中部以西に自生するヤマフジは花房が短い。美しさの印象に違いがあるので、そのあたりを見きわめたい。
と説明されています。
藤棚や夢は叶はで老いの波
(ふぢだなやゆめはかなはでおいのなみ)
[注・それぞれ古語で
「かなふ」とは、のぞみどおりになる。
「で」とは、未然形に接続する打消しの意を表す接続助詞で
・・・ないで。・・・なくて。の意
「おいのなみ」とは、
(波が岸に寄せて来るのにたとえて) 老いの迫ってくること。年をとること。顔に寄るしわからの連想もある。]
推敲修正句
藤棚や夢の叶はで老い来る
(ふぢだなやゆめのかなはでおいきたる)
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ご完読ありがとうございました。
梨雨