今日の一景
(248)
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四季の風景
春
里桜
大提灯
(おおぢょうちん)
此方に息づく声す大提灯
(こちごちにいきづくこゑすおほぢゃうちん)
[注・それぞれ古語で、「こちごち」とはあちこち、
「いきづく」とはため息をつく、
「す(自サ変)」はある状態が起こる。ある状態となる。の意]
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オオヂョウチン
インターネットの このはなさくや図鑑・日本の桜 によりますと
名称
Cerasus serrulata `Ojochin'
オオヂョウチン
(大提灯)
花色
淡紅色
花弁枚数
5~10枚
花期
4月中旬
(大阪府基準)
説明
荒川由来の桜です。
小花柄がながく下垂してこの名がつきました。
古くから『花壇地綿抄』に記されている大提灯と同種が同じものかは不明です。
その他
大きな花弁の花が下向きに咲く。
しわの多い花びらが特徴。
萼筒は漏斗形。
萼片は広卵状三角形でわずかに鋸歯がある。
と説明されています。
頂へ花の帳を掻き上げて
(いただきへはなのとばりをかきあげて)
[注・それぞれ古語で、
「とばり」とは室内の仕切りや外界との遮断のために、
鴨居から垂れ下げる布製の障壁具総称。壁代や几帳など。
「かきあぐ」とは上に引き上げる。かかげる。灯心をかきたてて明るくする。の意で
本句は、提灯の灯りを明るくするの意に掛けている。]
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滑り入る大提灯の傘の下
(すべりいるおほちゃうちんのかさのした)
[注・「すべりいる」とは古語で、滑るようにしてそっと中に入る。の意]
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大提灯昼間の空のなほ明し
(おほぢゃうちんひるまのそらのなほあかし)
[注・それぞれ古語で、「ひるま」とは昼、「なほ」とはさらに。一層。「あかし」とは明るい。の意]
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ご完読ありがとうございました。
梨雨