今日の一景
(242)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
春
林檎
(りんご)
の
花
想い出は林檎の花と日本海
(おもいではりんごのはなとにほんかい)
注・この句は口語調です。
文語調では
思ひ出づる花林檎と日本海
(おもひいづるはなりんごとにほんかい)
となります。
また冒頭句を発展させたものが
チャペルより林檎の花と日本海
(チャペルよりりんごのはなとにほんかい)
です。
1
リンゴ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
リンゴ
[林檎]
学名
Malus domestica
分類
バラ科 リンゴ属
開花時期
4~5月
花の色
白
名前の読み
りんご
分布
原産地は小アジアやコーカサス地方
現在、日本で栽培されているものは西洋林檎 ( セイヨウリンゴ ) から改良されたもので、
これは明治時代以降に導入されたものである。
生育地
果樹園
植物のタイプ
樹木
花言葉
選ばれた恋
花の特徴
葉の脇から数本ずつ花柄を出し、淡い紅色を帯びた白い5弁花をつける。
葉の特徴
葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える ( 互生 ) 。葉の縁には粗いぎざぎざ ( 鋸歯 ) がある。
実の特徴
果実は偽果 ( 子房以外の部分が加わってできている果実 ) である。食用にするのは花托 ( かたく:柄の上部にあって花弁や雌しべなどをつける部分 ) の発達したものである。
その他
英名はアップルブロッサム ( apple blossum ) である。江戸時代以前に中国から渡来したものは和林檎 ( ワリンゴ ) と呼ばれるが、現在ではほとんど栽培されていない。俳句では「林檎」が秋の季語、「林檎の花」が春の季語である。
と説明されています。
2
月の夜に泣いて林檎の散り初めけむ
(つきのよにないてりんごのちりそめけむ)
[注・「けむ」とは古語で、連用形に接続する過去の伝聞・婉曲の助動詞で~とかいう。~ような。の意]
3
4
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・春 によりますと
季語
林檎の花
(りんごのはな)
花林檎
(はなりんご)
リンゴの花 バラ科
江戸時代中期の俳人・炭太祇 ( たんたいぎ ) に、
世の花の色に染めたるりんごかな
の句がある。リンゴは鎌倉時代には原産地の中国から渡来していたとされ、江戸時代には広く栽培されていた。しかし、このリンゴは現在の西洋リンゴとは違い、別種の ワリンゴ または ジリンゴ である。いまでは全く栽培されていない。
西洋リンゴが渡来したのは幕末の文久年間 ( 1861~64年 ) で、現在の東京都豊島区に植えられたのが最初とされる。栽培が普及するのは明治になってからである。
西洋リンゴは西アジアから東ヨーロッパ原産で、高さ数メートルになる落葉高木。花は4~5月ごろ。枝の先に5~7個ずつ房になってつく。蕾のうちは紅色がかるが、開くと純白である。同一品種内では不和合性であるため、花粉親として他の品種も植え、ミツバチなどを放して花粉を媒介させるほか、人工授粉もする。摘果 ( てきか ) は初めに房の中で最も大きなものを残し、その後収穫まで何度か行う。青林檎 ( あおりんご ) は夏の季語。 < 鈴木俊作 >
と説明されています。
山面を白銀色に花林檎
(やまづらをしろかねいろにはなりんご)
[注・それぞれ古語で、「やまづら」とは山の斜面、「しろかねいろ」とは銀のように光る白色、の意]
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6
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りんご咲く津軽の国や北の果て
(りんごさくつがるのくにやきたのはて)
8
林檎の花びら散らせる無常の風
(りんごのはなびらちらせるむじゃうのかぜ)
無常とは仏教語語で、もともと
⑴世の中にあるすべてのものは生滅転変し続けて、常ではない゜ということ。変わらないものはない。
⑵人の生命のはかないこと。人の死
を意味するが
「無常の風」とは、風が吹いて花を散らすように、無常が人の命を突然奪い去ること
「散らせる」を分解すると
「ちらす(下二)」の連用形の「ちらせ」+存続の助動詞「り」の連体形の「る」
となる。
上句を発展させたものが
林檎の花びら散らせる風無常
↓
林檎の花びら散らせる雨無常
(りんごのはなびらちらせるあめむじゃう)
です。
9
画像は、本年3月28日撮影のものです。
品種名は、一応 「つがる」 と思われますが、まだ確定しておらず、研究課題とさせていただきます。
作句にあたっては、楽曲の 「 津軽のふるさと 」 、「 りんご追分 」 の歌詞を参考にさせていただきました。
ご完読ありがとうございました。
(梨雨)