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四季の風景・春-オオイヌノフグリ-今日の一景(211)-北九州市立白野江植物公園

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今日の一景
(211)

花譜の館・別館」へようこそ。

四季の風景

オオイヌノフグリ

細かなるいぬふぐりの空漫漫と
(こまかなるいぬふぐりのそらまんまんと)
[注・それそれ古語で「こまか(形動ナリ)」とは、非情に狭いさま、「まんまん」とは、広々としたさま、の意]



イメージ 3




オオイヌノフグリ
Veronica persica

ゴマノハグサ科  クワガタソウ属

   オオイヌノフグリは、ヨーロッパ原産の帰化植物で、1890年頃に東京に帰化したことがわかっている。路傍や畑の畦道などによく見られ、早春からコバルト色の花を咲かせる。春の訪れを感じさせる植物の一つである。花弁は4枚、雄しべは2本である。
   名前の意味は、大きな「犬のフグリ」あり、フグリとは陰嚢の意味である。果実の形が陰嚢を連想させるとの意味であるが、同じ属にイヌフグリがなければ、この花のイメージからはもっと可憐な名前がついたに違いない。
   オオイヌノフグリは、秋の日だまりの中芽生える。草狩りされた跡地にびっしりと小さなオオイヌノフグリが芽生え、やがて花の時よりも大きいほどの葉を展開して高さ数cmほどに生長するが、真冬になると大きくなるのをやめて花芽をつけはじめる。昼間の日だまりは結構暖かいのであろうが、夜の冷え込みは厳しく、温度差の厳しい環境を耐え忍ぶ仕組みを持っているのであろう。

参照


見付くには日射しはいらぬいぬふぐり
(みつくにはひざしはいらぬいぬふぐり)
[注・「みつく」とは古語で、見つける、の意]


イメージ 1



俳句上

蔵書の 草木花・歳時記・冬 によりますと

季語
いぬふぐり
犬(いぬ)のふぐり  おおいぬのふぐり ひょうたんぐさ

   イヌフグリの仲間で、身近にふつうに見られるのは帰化植物のオオイヌノフグリとタチイヌノフグリである。イヌのフグリは花が淡紅色だから、青紫の花の他の2種とはすぐ区別できるが、近年なかなか見つからない。タチイヌノフグリは珍しくはないが、花が目立たない。だから俳句に「いぬふぐり」と詠まれるのは、花が大きくいつでもどこでも多いオオイヌノフグリの場合が多い。イヌノフグリの名は犬の睾丸(こうがん)を意味し、その2つ並んだ毛のはえた果実をたとえたもの、ひょうたんぐさの別名もある。
   イヌノフグリは、高さ10~25センチの越年草で、花期は3~4月。花は直径3~4ミリ、花柄(かへい)は長さ3~7ミリ。本州から沖縄までのほか台湾、朝鮮半島、中国に分布する。
   オオイヌノフグリは1年草または越年草で、よく枝分かれし、高さ5~20センチ。花期はふつう秋の終わりから初夏まで゛、真冬にも見かける。花の直径は7~10ミリで、花柄は長く1~2センチ。花弁は触れればすぐ落ちて
、がくがすぐ閉じる性質がある。ヨーロッパ原産で、日本では明治17(1884)年、東京で初めて見つかった。

と説明されています。



賑わふをよそに野狭のいぬふぐり
(にぎはふをよそにのもせのいぬふぐり)
[注・「のもせ」とは古語で、野原いっぱい、の意]
解釈
下の探梅の客の賑わいをよそに、上の堤いっぱい青紫のイヌフグリが咲いていることよ。




イメージ 2


御完読ありがとうございました。
(梨雨)


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