今日の一景
(146)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
秋
紅葉
楓
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もみぢして捨つる命の惜しからず
(もみぢしてすつるいのちのをしからず)
注
・
もみぢして
⑴
紅葉(もみ)ぢ・[もみづの連用形]+単なる接続を意味する接続助詞の「して」
「もみつ゛」(自ダ上二)
とは、「もみつ」(自タ四)[上代]が中古以降濁音し活用変化したもので
秋になって、草木の葉が霜などのために赤や黄に美しく色づくこと。
「して」
とは、連用形(形容詞・形容動詞は・に、ず)に接続する、単なる接続(て)の意の接続助詞とみることができる
並列(・・・そうして)
状態(・・・の状態で)
原因・理由(・・・ので)
⑵
「して」
サ変動詞「す」の連用形「し」+接続助詞「て」から組成した、
手段・方法を示す・・・で、・・・でもってを意味する格助詞「して」
は、連体形か体言の下に来る。
使役の対象(・・・して)
手段・方法(・・・で)
共同者(・・・とっしょに)
を意味する。
よって、
紅葉(もみぢ[名詞])+して[格助詞]
の考えである。
以上2つの考えがある。
私は「して」を接続助詞の状態での⑴をとりたいが、もみぢしてと平仮名で詠めば⑴も⑵も両用することになる。
1
2
もみぢ
[紅葉・黄葉]
名詞
上代は「もみち」
⑴
秋・木や草の葉が赤または黄に色づくこと。またその葉。
⑵
「楓」類の異称。その紅葉の様子が特にすくれていることかいう。
⑶
赤面すること。多く「顔にもみぢを散らす」の形で用いられる。
⑷
紅葉襲(もみじがさね)の略。
⑸
紋所の名
上代における「もみち」の用字の多くは「黄葉」であり、「紅葉」の文字は主として中古以後に使用される。
上代に「黄葉」の使用が多いのは漢籍の影響によるが、
大和(奈良県)では、紅葉よりは黄葉に親しんだ風土性にもよると思われる。
マドンナの燃え渡る紅葉潜りけり
(マドンナのもえわたるもみぢくくりけり)
[注・それぞれ古語で、「もえわたる」とは燃え上がる、「くくる」とは通り抜ける、の意]
元句は
燃え渡る紅葉潜りし女あり
です
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橋古りて傍の紅葉の貴てやかに(はしふりてそひのもみぢのあてやかに)
[注・それぞれ古語で、「ふる」とは古くなる、「そひ」とはそば、傍ら、
「あてやか」とは高貴なさま、優美なさま、の意]
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ご完読ありがとうございました。
なお
古語ないし、古語文法にあたっては
旺文社・古語辞典、第8判
松村 明
山口明穂
和田利政
編
を参考にさせていただきました。
(梨雨)