「花譜の館」へようこそ。
独り来て紅葉且つ散る夕べかな
(ひとりきてもみぢかつちるゆうべかな)
注
「紅葉且つ散る」
(もみぢかつちる)
とは
秋10月の季語
で
紅葉しながらかつ散るのをいう。
単に「紅葉散る」といえば冬季である。
1
11月26日
の
日誌
本日(11月26日)は朝から低い雲が立ち込め、今にも雨の降そうな空であった。
翌(11月27日)投稿のテーマは、11月22日(土曜日)に、北九州市八幡東区河内の河内藤園にて撮影した楓紅葉と決めた。通院先の病院の待合室で苦労して作句に挑んだ。
山峡の紅葉且つ散る細川
(やまがいのもみぢかつちるさざれがわ)
[注・それぞれ古語で、「やまがい」とは山と山との間、「さざれがは」とは小川、の意]
2
3
4
紅葉
(もみじ)
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・秋 によりますと
季語
紅葉
(もみじ) (もみぢ)
楓紅葉(かえでもみじ) 紅葉狩(もみじがり) 紅葉見(もみじみ) 照葉(てりは)
紅葉
紅葉は落葉につながる植物の生理現象である。葉を切り捨てようと葉柄(ようへい)の基部に離層ができたため、葉でつくられた栄養分が行きどころをなくして蓄積され、アントシアニン類の赤い色素となったのである。とすれば紅葉は、落葉を約束した死出の化粧といえなくもない。木々が色づいた山の様子を「山装(やまよそお)う」と形容するが、化粧という華やかな現象に、そうした未来を感じてしまうのは私だけだろうか。しかし、そうであるが故に紅葉は美しく、あでやかなのではないか。
「もみじ」はカエデ類の別称であるように、楓紅葉が紅葉の代表である。低山地でひときわ目につくのは、葉が小型で掌状の切れ込みが深いイロハモミジであろう。庭園などにもよく植えられており、引き締まった装飾的な葉は、絵画などに描かれることも多い。やや高い山なら、葉か二重に切れ込んだコミネカエデが、鮮やかに山を粧おう。 < 鈴木俊作 >
と説明されています。
大空を覆い隠して紅葉山
(おほぞらをおほひかくしてもみぢやま)
5
6
登るほど濃紅葉多き奥河内
(のぼるほどこもみぢおほきおくかわち)
7
四次元を錦織りなす照紅葉
(よじげんをにしきおりなすてるもみじ)
8
9
踏み入れば紅葉の山の別世界
(ふみいればもみぢのやまのべっせかい)
10
重箱も連れも無くして紅葉狩
(じゅうばこもつれもなくしてもみぢがり)
11
ご完読ありがとうございました。
(梨雨)