今日の一景
(81)
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四季の風景
夏
山梔子の花
(くちなしのはな)
くちなしや思ひ錆たるこの齢
(くちなしやおもひさびたるこのよはひ)
[注・それぞれ古語で、「おもひ」とは志、「よはひ」とは年齢、の意]
1
クチナシ
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
季語
山梔子(くちなし) の花
梔子(くちなし)の花
クチナシの花 アカネ科
クチナシの花は、古歌にはほとんど見当たらず、近世の詩歌にもわずかしか登場しない。果実を黄色の染料に、また漢方では山梔子(さんざし)とよはれて消炎、解熱剤に使うなど、果実の実用性が重んじられてきたからだろうか。熟しても実が裂けない(口を開かない)ことから「口無し」の名がついたとする語源も、人々が果実を大事に考えていたことの表れといえる。
しかし一方、大きく純白で、ジャスミンのような高い香りを放つ花が愛でられ、庭木として古くから栽培されるとともに、多くの園芸品種も作られた。たとえば園芸店てよく売られているガルデニアは八重咲き大輪の園芸種で、(オオヤエクチナシ)の和名もある。
海岸に近い暖地の山中に生える高さ1~2メートルの常緑低木。葉は楕円形で光沢がある。5~6月、枝先に1個ずつ花を開く。花は直径5~8センチで、花冠は双子葉植物では珍しく6裂する。時がたつと純白の花色が黄色に変化する。
本州の東海地方から沖縄までのほか、台湾、中国、東南アジア大陸部にも分布する。< 清水健夫 >
と説明されています。
2
上2画像のクチナシは
オオヤエクチナシ
(ガルデニア)
です。
なお、昨年7月17日
山梔子(くちなし)の花
で投稿しております。
URL
でご覧ください。
搭載句
山梔子の匂うに顔寄せてをり
父罷る山梔子の香残して
くちなしの花咲きやすくして朽ちやすし
山梔子の事直りして咲きにけり
山梔子の朽ちて離さぬ香かな
です。
ご完読ありがとうございました。
(梨雨)