今日の一景
(62)
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四季の風景
夏
山法師
(やまぼうし)
Ⅰ
真上から望む十字の山法師
(まうへからのぞむじゅうじのやまぼふし)
1
ヤマボウシ
インターネットの ウィキペディアフリー百科事典 によりますと
目
ミズキ・Cornales
科
ミズキ・Cornaceae
属
ミズキ・Cornus
亜属
ヤマボウシ・Benthamidia
種
ヤマボウシ・B. japonica
学名
B. japonica
syn. Cornus kousa
和名
ヤマボウシ
(山法師)
英名
Kousa Dogwood
Japanese Flowering Dogwood
ヤマボウシ
ヤマボウシ(山法師、山帽子)はミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。
特徴
高さ5~10メートル。幹は灰褐色。葉は対生し、楕円(だえん)形または卵円形で長さ4~12センチ、全縁でやや波打つ。花は6~7月に開き、淡黄色で小さく、多数が球状に集合し、その外側に大形白色の総包弁が4枚あり、花弁のように見える。
果実は集合果で9月頃に赤く熟し、直径1~3センチで球形、食用になる。種子は約3ミリで、大きい果実には3~4個、小さい果実では1個入っている。果肉はやわらかく黄色からオレンジ色でありマンゴーのような甘さがある。果皮も熟したものはとても甘く、シャリシャリして砂糖粒のような食感がある。果実酒にも適する。
山地に普通生え、本州から九州、および挑戦半島、中国に分布する。街路樹・庭園樹・公園樹としても用いられる。近縁にハナミズキ(アメリカヤマボウシ)があるが、こちらの果実は集合果にならず、個々の果実が分離している。
庭木などにも利用されるが、本来山の谷筋なとに自生する樹木であるので、水はけのよい常に水が存在する場所を好む。夏に乾燥すると葉の周りが枯れたり、小枝やひどい場合には全体が枯れたりするので、乾燥させないことが必要である。また、粘土質の土壌では根の張りが悪くなりがちなので、土壌改良などをして水はけのよい状態にして根が伸び易いようにしてやることが必要である。花・果実・紅葉と3回楽しめるので周囲に空間を必要とする。
病気では特に目立ったものはないが、害虫ではアブラムシ、カイガラムシが付くことがあり、すす病(昆虫の排泄物に黒いカビが生えたもの)を誘発する。また、幹に穴を開けて食害するテッポウムシが付くことがあり、注意が必要。
ヤマボウシは、同じヤマボウシ亜属の近縁種であるハナミズキ(アメリカヤマボウシ)の深刻な病害であるハナミズキ炭疽病の感染地域では、感染によってハナミズキの街路樹が枯死すると、ハナミズキ炭疽病に抵抗性があるヤマボウシまたはハナミズキのヤマボウシ交配品種に植え替える病害対策が行われることがある。
品種
品種改良によって、実の大きな品種(ビッグアップル)、落葉しない品種(ホンコンエンシス)、斑入りの品種(ウルフアイ)、赤身がかった花をつける品種(源平・サトミ)、黄色の花をつける品種(金陽)などの多彩な種が流通している。
2
公を飾りて低し山法師
(おほやけをかざりてひくしやまぼふし)
[注・「おほやけ」とは古語で、現在の官庁、の意]
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俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
季語
山法師の花
(やまぼうしのはな) (やまぼふしのはな)
山法師(やまぼうし) 山桑(やまぐわ)
ヤマボウシ ミズキ科
ちょうど梅雨のころ、静かな山中で枝いっぱいに白い花を咲かせるヤマボウシには、寂しげななかにもハッとするほど清らかな風情がある。そこが茶人に愛されるのか、茶花にもなっている。4弁の花と見えるのは、正しくは花序の苞(ほう)[総苞]で、その中心に頭状の花のかたまりがある。このかたまりを法師の頭、総苞を頭巾に見立ててこの名がついた。
高さ5~10メートルの落葉高木。葉は対生してふちが波打ち、強く湾曲した脈が数本あるのが特徴。花期は5~7月。総苞は初め色だが、葉とともに開いたあと、白色になる。花自体は黄緑色で小さく、目立たない。秋には直径1センチ余りの実(複合果)が赤く熟し、ヤマグワの別名があるとおり甘い山の幸となる。
材は緻密で均質なため、古くからのみや鉋(かんな)の木部、木槌(きづち)に利用されてきた。庭木にも植えられてきたが、近年人気があるのは、同じ仲間のハナミズキ(アメリカヤマボウシ)である。本州から四国、九州(屋久島まで)、沖縄県(石垣、西表[いりおもて]島)のほか、台湾、朝鮮半島、中国にも分布する。 < 清水健美 >
と説明されています。
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山法師躙り上がりの岡の上
(やまぼふしにじりあがりのおかのうへ)
[注・「にじりあがり」とは古語で、長雨がやっとあがること、の意]
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御完読ありがとうございました。
(梨雨)