今日の一景
(46)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
春
鉄線花
(てっせんか)
こと
クレマチス
Ⅱ
心根の真白き妹背鉄線花
(こころねのましろきいもせてっせんくゎ)
[注・それぞれ古語で、「こころね」とは人格、正確、「いもせ」とは夫婦、の意]
1
俳句上
和名
テッセン
いつもの 俳句図鑑 によりますと
季語
鉄線花
(てっせんか)
鉄線(てっせん) てっせんかずら
[植物・特徴]
中国・中部地方原産。数多くの品種があり、垣根に植えたり、鉢植えで鑑賞したりする。細長いつるは冬も枯れず、全体に短毛がまばらに生える。5~6月、葉の腋から長い花柄を伸ばし、径5~8センチの白または紫色の花を咲かせる。
[歴史・文化]
江戸時代に中国から渡来し、鑑賞用として栽植される。花や草の姿が似ているカザグルマ(日本原産)とともに人気を集め、絵画、彫刻や織物の模様、蒔絵などにデザインされた。
つるが細くて堅く、針金のようであることが名の由来。
漢方では根を「鉄脚威霊仙」といい、痛風、神経痛、リウマチなどに効果があるという。
[作句のポイント]
花びらに見えるのは萼(がく)の部分。観賞用に改良されたクレマチスは萼が6枚のものや八重咲きのものなど形状・色彩ともに多様だが、句作の際はたんに鉄線花で差し支えない。花期は長く初秋まで次々に開花する。
と説明されています。
2
3
4
5
許されて狭庭詣でや鉄線花
(ゆるされてさにはまうでやてっせんくゎ)
[注・「さには」とは古語で庭、「まうで」は口語で、目的をかなえるため何度も訪れる、の意]
6
(梨雨)