「花譜の館」へようこそ。
海見らむ峠に聳く山桜
(うみみらむたむけにそびくやまざくら)
[注・それぞれ古語で、「たむけ」とは峠、「そびく」とは棚引く、の意]
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「花譜の館」へようこそ。
本日(3月28日)は、朝から快晴で、空は真青(まさお)の絶好の撮影日和でした。
明日から天候が崩れるとあっては、ここ二日の暖かさで、一気に咲き始めたソメイヨシノも今日を逃してはいつまた青空を背景に撮影できるか気が気ではなく、午前中の時間と、昼から、来客、PCの師範の来訪の隙間のわずかな時間を撮影にあてました。
午前中は、裏山の隠れた花見の穴場である中腹にて、一本桜のソメイヨシノなどを撮影しました。6~7分咲き
といったところでしたが、園児で賑わっていました。
昼の合間の時間には、いつもの庭園・芦屋釜の里に行く途中の道沿いの桃源郷のような花桃(はなもも)の花畑に寄り、持ち主の許可を得て、その花桃を撮影しました。
本日投稿のテーマの花は、さる3月23日、「国民宿舎マリンテラスあしや」のある魚見山の頂に登る急坂から見下ろし撮影した谷に生る、満開の山桜(やまざくら)です。ソメイヨシノも幾分咲いていましたが、本日は、そのソメイヨシノの華やかさとは違った優美ともいうべき、山桜(やまさくら)をご紹介することに致します。頂上およびその付近から、響灘の海とともに大島桜(おおしまさくら)なと゛も撮影しておりますが、後日の紹介とさせていただきます。まずは山桜(やまざくら)の侘びの世界をご堪能下さい。
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ヤマザクラ
インターネットの ウィキペディアフリー百科事典 によりますと
目
バラ・Rosales
科
バラ・Roacease
属
サクラ・Cerasus
種
ヤマザクラ・C.jamasakura
学名
Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba,1992
和名
ヤマザクラ
(山桜)
Synonym
Prunus jamasakura Sieb. ex Koidz.,1911
[ヤマザクラ]
ヤマザクラはバラ科サクラ属の落葉高木。日本の野生の桜の代表的な種で、和歌にも数多く詠まれている。サクラの仲間では寿命が長く大木になる。ヤマザクラを原種として品種改良された種も多い。多くの場合発芽と花が同時に展開する(開く)ので、これがソメイヨシノと区別する大きな特徴なる。日本、台湾、韓国、北朝鮮に分布。開花時期は3~4月頃。
[分類]
サクラの属名は日本では長いことPrunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究では
Cerasus(サクラ属)とするものがある。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg.Cerasus)とするものが多かったが、近年は後者が増えてきている。しかしCerasusとすることで決着した訳ではない。
[概説]
ヤマザクラは同一地域の固体群内でも固体変異が多く、開花時期、花つき、葉と花の開く時期、花の色の濃淡と新芽のいろ、樹の形など様々な変異がある。
同じ場所に育つ固体でも1週間程度の開花時期のずれがあるため、同じサクラでもソメイヨシノと異なり、短期間の開花時期に集中して花見をする必要はなく、じっくりと観察できる。ソメイヨシノの植栽の普及する前の花見文化はむしろ、このように長期間にわたって散発的に行われるものであった。
新芽から展開しかけの若い葉の色は特に変異が大きく、赤紫色、褐色、黄緑色、緑色などがあり、裏面が白色を帯びる。花弁は5枚で、色は一般的に白色、淡紅色だが、淡紅紫色や先端の色が濃いものなど変化もみられる。樹皮は暗褐色または暗灰色。
家具の材料としても人気が高い。樹皮は樺細工などに利用される。
「吉野の桜」とは、本来このヤマザクラを指すものであり、日本の象徴とされた桜でもある。長寿な種であり、尾所には樹齢500年を超えるものが見られる。
[ヤマザクラ群]
ヤマザクラに類する品種の桜をヤマザクラ群と呼ぶ。オオシマザクラやオオヤマザクラ、カスミザクラなどが有名である。
野生種12種
園芸品種55種
以上詳細略
と説明されています。
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是が彼の大和の只中山桜
(これがかのやまとのただなかやまざくら)
[注・「ただなか」とは古語で、代表、の意]
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俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・春 によりますと
季語
山桜
(やまざくら)
吉野桜(よしのざくら) 霞桜(かすみざくら) 大山桜(おおやまざくら)
大島桜(おおしまざくら) 豆桜(まめざくら) 富士桜(ふじざくら) 遅桜(おそざくら)
ヤマザクラ バラ科
敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う山桜花(やまざくらばな)
本居宣長
(もとおりのりなが)
江戸時代の国学者のこの和歌は、桜を武士の精神と結びつけたとして知られている。しかし、実際に明け方の山中で山桜を見ると、やわらかな若葉に寄り添うように白い花びらを開きかけて、むしろ女性的な印象である。散りもしない。山桜は『万葉集』にも詠まれている。種としてのヤマザクラが代表的で、平安京に植えられた桜も西日本に多いヤマザクラであったであろう。奈良の吉野山や京都の嵐山などの桜はヤマザクラである。
一方、山桜は園芸品の里桜に対して、山に咲く桜という意見でも使われる。ヤマザクラより上部に生えるカスミザクラは葉や花に毛があり、花が遅い。東日本に多いオオヤマザクラは花が大きくて紅色が濃い。葉を桜餅に用いる白花のオオシマザクラは伊豆地方に生える。これらは分類上もヤマザクラ群である。全体に小型のマメザクラは富士山周辺に生え、別名フジザクラともいい、花は葉が出る前に咲く。山の桜は花期が遅く、遅桜と詠まれることもある。 < 鈴木俊作 >
と説明されています。
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山桜園生の外にて盛りなる
(やまざくらそのふのそとにてさかりなる)
[注・「そのふ」とは古語で、庭園、の意]
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山桜紅き若葉を抱きをり
(やまざくらわかきわかばをいだきをり)
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(梨雨)