今日の一景
(333)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
冬
紅葉
(もみじ)
Ⅰ
楓
(かえで)
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山元の斑に燃ゆる紅葉かな
(やまもとのはだれにもゆるもみぢかな)
[注・それぞれ古語で、「やまもと」とは山のふもと。「はだれ」とはまだら。]
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インターネットの モミジの育て方/住友化学園芸 によりますと
モミジとカエデ
について
モミジとカエデは、どちらもカエデ属の植物を指す言葉です。モミジは秋に色づく ( 紅葉 ) から、またカエデは蛙手と葉形からつけられた名前です。もともと、「 もみぢ 」 とは、植物が赤や黄色に色づく様子を表わすことばでしたが、特に紅葉が美しいカエデの仲間を指すようになりました。
カエデの仲間でも、名前にモミジやカエデがつかないものがあります。シデに似た葉のチドリノキや、3出複葉のメグスリノキなどがそれで、一般的なカエデの葉形と異なるためか、古くはカエデの仲間と認識されてなかったのかもしれません。江戸末期に来日したシーボルトは、「 日本植物誌 」 を著した植物学者でしたが、葉が3裂するウコギ科のカクレミノの学名を誤ってカエデ属としたことが知られています。
カエデ属は、約150種が北半球の温帯を中心に分布する常緑または落葉の高木です。日本にはイロハモミジ、ハウチワカエデ、ハナノキなど約20種が分布します。
奈良時代には、すでにカエデの紅葉が鑑賞され、江戸時代元禄のころには大流行し、現在でも栽培される数多くの園芸品種がつくられました。明治に入ってからは、日本のカエデが海外に輸出され、現在では世界で広く愛好されるようになっています。日本では近年、鹿児島から沖縄県に分布する、常緑のクスノハカエデが観葉植物として栽培されたり、北米原産のネグンドカエデが植栽されたりと、さまざまなカエデの仲間が栽培されるようになりました。
カエデの仲間は、赤や黄などの紅葉の色はもちろん、葉形や芽出しの色、樹皮なども美しい品種が多く、四季を通して鑑賞することができます。ほとんどのカエデの園芸品種は、日本の野生種が改良されたものなので、育てやすく、また庭木、鉢植えの゛ちらでも栽培することができます。
旨、解説されています。
潜りける紅葉貫くもみじ橋
(くくりけるもみぢつらぬくもみじばし)
[注・「くくる」とは古語で通り抜ける。の意]
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画像の木橋の名称自体、「もみじ橋」です。
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蔵書の 草木花・歳時記・秋 によりますと
季語
紅葉
(もみじ) (もみぢ)
楓紅葉(かえでもみじ) 紅葉狩(もみじがり)
紅葉見(もみじみ) 照歯(てりは)
紅葉
紅葉は落葉につながる植物の生理現象である。葉を切り捨てようと葉柄 ( ようへい ) の基部に離層ができたため、葉でつくられた栄養分が行きどころをなくして蓄積され、アントシアン類の赤い色素となったのである。とすれば、紅葉は、落葉を約束した死出の化粧といえなくもない。木々が色づいた山の様子を 「 山装 ( やまよそお )う 」 と形容するが、化粧という華やかな現象に、そうした未来を感じてしまうのは私だけだろうか。しかし、そうであるが故に紅葉は美しく、艶 ( あで ) やかなのではないか。
「 もみじ 」 はカエデ類の別称であるように、楓紅葉が紅葉の代表である。低山地でひときわ目につくのは、葉が小型で掌状の切れ込みが深いイロハモミジであろう。庭園などにもよく植えられており、引き締まった装飾的な葉は、絵画など描かれることも多い。やや高い山なら、葉が二重に切れ込んだコミネカエデが、鮮やかに山を装う。
旨、解説されています。
5
鈍色の空を引き掛く紅葉かな
(にびいろのそらをひきかくもみぢかな)
[注・「にびいろ」とは濃いねずみ色。「ひきかく」とは上をおおう。かぶせる。まとう。の意]
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指差してあそこどこよの紅葉かな
(ゆびさしてあそこあそこどこよのもみぢかな)
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蔵書の ホトトギス・新歳時記・稲畑汀子編 によりますと
季語
紅葉
(もみじ) もみぢ)
落葉樹の葉は凋落 ( ちょうらく ) する前、霜や時雨の降るたびに美しく染まる。
その代表的なものは楓 ( かえで ) であるが、その他のものもふくめて紅葉という。
「 もみづ 」 と動詞にも用いる。
夕紅葉 ( ゆうもみじ ) 。むら紅葉 ( もみじ ) 。下紅葉 ( したもみじ ) 。
紅葉川 ( もみじがわ ) 。紅葉山 ( もみじやま ) 。
と、説明されています。
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本ブログの全ての画像は、本年11月8日の立冬の日に、福智山ろく花公園にて撮影したものです。
よって題目は、四季の風景・冬とさせていただきますが、
句は季語・紅葉の秋の感覚でお読みいただければ幸いに思います。
過去・紅葉については多数の投稿があります。
宜しくお願い致します。
ご完読まことにありがとうございました。
梨雨