今日の一景
(287)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
秋
朝顔
(あさがお)
後編
朝顔の溢るを見たき夕べかな
(あさがほのはふるをみたきゆふべかな)
[注・それぞれ古語で、「はふる」とは古語で、あふれる。「ゆふべ」とは夕方。の意]
初案
朝顔の満開見たき夕べかな
です。
1
アサガオ
いつもの 花の俳句図鑑 によりますと
季語
朝顔
初秋
(あさがお) (あさがほ)
牽牛花(けんぎゅうか) 西洋朝顔 空色朝顔
アサガオ ヒルガオ科
[植物・特徴]
中国南西部やヒマラヤ山麓などのアジア原産のつる性植物。茎には粗い毛があり、左に巻きながら伸びる。
日本で鑑賞用に改良され、大輪咲き、変わり咲き ( いかり咲き、獅子咲き、キキョウ咲き、車咲き、ヤナギ咲きなど ) のような花の改良種のほか、葉の形を変化させたものや斑入りなど、多くの園芸品種がある。また、花の色も青、赤、紫、白などを中心に、これらの色の縞模様や絞り模様などがある。7~9月の朝、径10~20センチのろうと形の花を咲かせ、午前中のうちにしぼむ。
[歴史・文化]
もともとは、奈良時代に中国から薬用として入ってきたもの。熟した種子を乾燥させ、粉末にしたものを下剤や利尿剤として利用した。
鑑賞用に栽培されるようになったのは江戸時代以降のこと。1800年代には2度の大流行を見せた。
『 万葉集 』 にある山上憶良の
萩の花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花
や詠み人知らずの
朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけり
などにでてくる 「 朝顔 」 は、アサガオではなくキキョウまたはムクゲを指すとも考えられている。
[作句のポイント]
凛として華やかさとともに、1日でしぼんでしまうはかなさも感じさせる花である。旧暦の七夕のころの花ということから、牽牛花の別名がある。秋の花であることに注意。
と解説されています。
朝顔や遅るまいラジオ体操
(あさがほやおくるまいラジオたいさう)
注
「 まい 」 とは古語で助動特殊型 { ○・○・マイ・マイ・マイケレ・○ }
[ 組成・助動詞 「 まじ 」 の連体形 「 まじき 」 が 「 まじい 」 を経てできたもの]
で、打消しの推量、打消しの意志、否定を表わす。
2
3
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朝貌に冷茶嗜む立礼席
(あさがほにれいちゃたしなむりゅうれいせき)
5
朝顔の目立たぬ蕊の白さかな
(あさがおのめだたぬしべのしろさかな)
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ご完読ありがとうございました。
梨雨