今日の一景
(259)
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四季の風景
春
虞美人草
(ぐびじんそう)
和名
は
雛芥子
(ひなげし)
別名
ポピー
雛罌粟の花弁揺れて風を見る
(ひなげしのはなびらゆれてかぜをみる)
1
ヒナゲシ
インターネットの ウィキペディア・フリー百科事典 によりますと
ヒナゲシ
目
ケシ・Papaverales
科
ケシ・Papaveraceae
属
ケシ・Papaver
種
ヒナゲシ・P. rhoeas
学名
Papaver rhoeas L. (1753)
和名
ヒナゲシ
英名
Corn poppy
ヒナゲシ
ヒナゲシ ( 雛芥子、雛罌粟 [ コクリコ ] ) はヨーロッパ原産のケシ科の1年草。虞美人草 ( ぐびじんそう ) 、シャーレイポピー ( Shiriey poppy ) とも呼ばれる。
性状
耐寒性の1年草で、草丈50cm~1m位になる。葉は根生葉で、羽状の切れ込みがあり無毛である。初夏に花茎を出し、上の方でよく分枝し、茎の先に直径5~10cmの赤・白・ピンクの4弁花を開く。現在タネとして売られているものには、八重咲きの品種が多い。ケシやオニゲシに比べるとずっと華奢で、薄い紙で作った造花のようにも見える。
栽培
移植を嫌うので、9月下旬から10月中旬頃に、花壇に直まきする。覆土はタネが見え隠れする程度でよい。かなり細いタネなので、重ならないように丁寧に蒔き、発芽してきたら間引いて、株間が30cmくらいになるようにする。
グビジンソウの名について
グビジンソウ ( 虞美人草 ) の名は、中国の伝説に由来している。
秦末の武将・項羽には虞という愛人がいた。項羽が劉邦に敗れて垓下に追い詰められたられた時に、死を覚悟した項羽が詠った垓下の歌に合わせて舞った。
力は山を抜き、気は世を覆う
時利あらずして騅(あしげ)逝かず
誰逝かざるを如何せん
虞や虞や汝を如何せん
垓下歌 (垓下の歌) 『史記』 巻七項羽本記第七 司馬遷、『漢書』 第三十一陳勝項籍傳第一 班固
この舞の後に彼女は自害した。彼女を葬った墓に翌夏赤くこの花が咲いたという伝説から、こう呼ばれる。なお虞美人の自害云々については、女性の貞操がとやかく言われるようになった北宋代からであり、『史記』、『漢書』ではそのような記述はない。
花言葉
ヒナゲシの花言葉は以下のようなものがある。
・恋の予感
・いたわり
・思いやり
・陽気で優しい
・忍耐
・妄想
・豊穣
花弁の色では以下のようなものがある。
赤い花弁 「慰め」「感謝」
白い花弁 「忘却」「眠り」
その他には以下のようなものがある。
アイスランドポピー 「慰安」「感謝」「承認」「七色の恋」
その他
・フランスの国旗の赤を表わす花。
・リメンブランス・デー : 11月11日に第一次世界大戦が講和したことからヨーロッパでは追悼記念式典が行
われる。ヒナゲシは主にイギリス連邦の国々で戦没者の象徴とされている。カナダの詩人で従軍したジョン・
マクレ-の詩「フランダースの野に」にちなむ。
・作家などもヒナゲシをテーマに詩を詠んでいる。
ああ皐月(さつき) 仏蘭西(ふらんす)の野は
火の色す 君は雛罌粟(こくりこ)
われも雛罌粟(こくりこ)
与謝野晶子
陽(ひ)に倦(う)みて
雛罌粟(ひなげし)いよよくれなゐに
木下夕爾
と説明されています。
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俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・春 によりますと
季語
雛罌粟
(ひなげし)
雛芥子(ひなげし) 虞美人草(ぐびじんそう) ポピー
ヒナゲシ ケシ科
ヨーロッパ南部原産の一年草。原種は赤い4弁花だが、1880年ごろに庭園を飾る草花としてイギリスで園芸化され、今日までに白色、ピンク、ぼかし、八重咲きなどさまざまな品種がつくられた。ヨーロッパではコムギ畑の雑草として生えることから、古い時代に原産地からムギとともにユーラシア大陸の東西に広がったと考えられている。
葉には深い切れ込みがあり、粗い毛が密に生えている。秋に種子をまいてしっかり根を走らせると、寒さにも耐えて冬越しをする。草丈は50センチ以上に伸びて、4~5月には賑やかに咲く。最近、花壇や切り花で多く使われるシベリアヒナゲシ(アイスランド・ポピー)はシベリアが原産地で、さらに寒さに強く、3月ごろから咲く。雛罌粟は一般の歳時記では夏の季語とされることが多いが、本書では春の季語として扱った。
ヒナゲシの中国名は虞美人草。『三国志』で有名な楚王の項羽が愛した虞美人が自決したとき、その赤い血からこの花が生まれたという伝説がある。
と説明されています。
6
ひなげしの船出や花帆に風孕み
(ひなげしのふなでやはなほにかぜはらみ)
[注・「はらむ」とは、内部に含みを持つ。中に隠し持つ。含む。の意]
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さりながら嘆きは見えぬ虞美人草
(さりながらなげきはみへぬぐびじんそう)
[注・それぞれ古語で、「さりながら」とは接続助詞で、しかし。そうではあるが、
「なげき」とは悲しみ。悲嘆。の意
「ぬ」は已然形と接続する打消しの助動詞「ず」の連体形。]
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ご完読ありがとうございました。
梨雨