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花と蝶=藤袴(ふじばかま)と浅葱斑(あさぎまだら)-北九州市立白野江植物公園

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花譜の館」へようこそ。
 
秋深し一年一度の花と蝶
(あきふかしいちねんいちどのはなとてふ)
 
 
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10月13日
日誌
後 述
 
 
   本日のテーマの花は、昨日に続き藤袴(ふじばかま)なのですが、フジバカマというよりも、フジバカマに吸蜜に来る蝶の浅葱斑(アサギマダラ)というべきでしょう。
 
   北九州市立植物公園の去年の花の谷の畑には片隅に僅かに藤袴が植栽されていました。その藤袴の花色も白でした。その時、白野江植物公園のポスターには藤色のフジバカマを吸蜜する浅葱斑(あさぎまだら)が写っていたのです。一応白のフジバカマに来たアサギマダラは画像に収めたのですが、やはり、アサギマダラには、藤色のフジバカマが似合うのです。 よって、私は、『あの寒椿のブログでの要望』、にも書いているとおり、それ以来、何かにつけて所長に藤色のフジバカマの植栽を要望していました。
 
   今年の10月1日、同園に行ったところ、花畑の広大な土地に、白と藤色のフジバカマが半々に植えられていたのです。もう背は人の丈以上で、頂上には蕾をつけており、わずかに開いた花を目がけて、すでに数頭のアサギマダラが吸蜜にやって来ていました。しかし、白ばかりに止まり、藤色に止まる蝶は少なく、いい画像を得ることはできませんでした。
 
   その頃は台風の来襲時期でもあり、こちらも所用があり、ヤキモキしていました。10月9日、満を持して同園の開園の9時ちょっと過ぎに入り、花の谷に急いだところ、桜餅のような匂いのする花の谷の北側の藤袴に、先客が男女半々すでに10数人ほどいて、朝から30頭ほど来てフジバカマの上を飛び回り、時に花に止まるアサギマダラを逆光の位置から狙い、シャッターを切り続けていました。私もそれに加わり、撮影しつづけました。
 
   アサギマダラを観察したところ、北の白のフジバカマにはよく止まるのですが、南の藤色のフジバカマにはあまり止まりませんでした。私は狹いながらも南側へ廻り、順光の位置へと場所移動し撮影しつづけました。 撮影と消去を繰り返しているうちに、もう蝶の頭数も減り、正午を過ぎようとしていました。
 
   午後2時から歯科への通院もあり、早々に撮影を切り上げ、帰宅にかかりました。途中偶然に会った所長は、
ポスターに、写っている藤色のフジバカマに来ているアサギマダラの写真を見て所長もやはり、実際とマッチしていないと気づき、藤色のものを大量に植える気になったと語りました。
 
  歯科からの帰り、いつもの庭園・「芦屋釜の里(あしやがまのさと)」に寄った際、「秋の夜、マンドリンの調べin 芦屋釜の里」と銘うった、秋の夜のコンサートのために、立礼席の前に花開いた、藤色のフジバカマの鉢が前に出されていました。それはすばらしく本種ではないかと思った次第です。
 
 
蜜月に形振り構わで藤袴
(みつげつになりふりかまわでふぢばかま)
 
 
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俳句上
 
いつもの 草木花・歳時記・秋 によりますと
 
季語
藤袴
(ふじばかま) (ふぢばかま)
 
フジバカマ  キク科
 
   秋の七草の1つとして
萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花また藤袴 朝顔の花
と『万葉集』に詠まれ、また『源氏物語』に藤袴の巻があるほどに、昔からよく知られた草花ではある。しかし、なぜか野生ではなかなかお目にかかれず、同じ仲間のヒヨドリバナを七草の代用とすることもある。かつては、人家近くの川岸や池のふちなど、湿った草地によく見られたが、今では絶滅危惧種になってしまった。
   高さ1~1.5メートルの多年草。下部の葉が深く3裂することなどでヒヨドリバナと区別できる。筒形で藤色の小花が藤袴の名の由来だといわれるが、確かではない。東北地方南部から九州までに分布するが、朝鮮半島や中国にもあり、万葉時代以前に渡来した帰化植物とみる向きもある。 < 清水健美 >
 
と記載されています。
 
 
 
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アサギマダラ
 
インターネットの ウィキぺディアフリー百科事典 によりますと
 
アサギマダラ
チョウ Lepidoptera
(鱗翅)
上科
アゲハチョウ Papilionoidea
タテハチョウ Nymphalidae
亜科
マダラチョウ Danainae
アサギマダラ Paranantica
アサギマダラ P. sita
学名
Parantica sita (Kollar. 1844)
和名
アサギマダラ
英名
Chestnut Tiger
 
 
アサギマダラ
   アサギマダラ(浅葱斑)は、チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されるチョウの一種。翅の模様が鮮やかな大型のチョウで、長距離を移動する。
 
特徴
   成虫の前翅長は5-6cmぼ。翅の内側が白っぽく、黒い翅脈が走る。この白っぽい部分は厳密には半透明の水色で、鱗粉が少ない。和名にある「浅葱」とは青緑色の古称で、この部分の色に由来する。翅の外側は前翅は黒、後翅は褐色で、ここにも半透明水色の斑点が並ぶ。
 
   オスとメスの区別はつけにくいが、オスは腹部先端にフェロモンを分布するヘアペンシルという器官を持つ。または翅を閉じたときに、尾に当たる部分に濃い褐色斑がある場合があるが、これは性票で雌にない。これで雌雄の同定が可能である。
 
   アゲハチョウ科の様に細かく羽ばたかずにふわふわと飛翔し、また、人をあまり恐れずよく目にするため人気が高い。日本昆虫学会による国蝶選定の際に、ナミアゲハやアオスジアゲハ等と共に候補に選ばれたが結局はオオムラサキが選定された。夏から秋にかけては藤袴、ヒヨドリバナ、アザミなどのキク科植物の花によく集まり、吸蜜する姿が見られる。
 
   日本の南西諸島から東南アジアにかけて分布するリュウキュウアサギマダラは、「アサギマダラ」の名が付くが、リュウキュウアサギマダラ属に属する別属のチョウである。
 
 
溢れたる蝶藤色の藤袴
(あふれたるてふぢいろふぢばかま)
 
 
 
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生活史
   幼虫はガガイモ科のギジョラン、カモメヅル、イケマ、サクラランなどを食草とし、卵は食草の葉裏に産みつけられる。幼虫は黒の地に黄色の斑点が4列に並び、その周囲に白い斑点がくさんある。また、前胸部と尾部に2本の黒い2本の黒い角をもつ。関東以西の沿岸付近などでは、冬が近づくと常緑性であるギジョランに散乱され、2~3齢程度の幼虫で越冬する。蛹は垂蛹型で、尾部だけで逆さ吊りになる。蛹は青緑色で、金属光沢のある黒い斑点がある。
 
   幼虫の食草になるガガイモ科植物はどれも毒性の強いアルカロイドを含む。アサギマダラはこれらのアルカロイドをとりこむことで毒化し、敵から身を守っている。アサギマダラは幼虫・蛹・成虫とどれも鮮やかな体色をしているが、これは毒を持っていることを敵に知らせる警戒色と考えられている。また、成虫のオスがよく集まるヒヨドりバナやフジバカマ、スナビキソウなどには、ピロリジジンアルカロイド(PA)が含まれ、オスは性フェロモン分泌のためにピロリジジンアルカロイドの摂取が必要と考えられている。
 
   インド北部から東南アジア、インドネシアにかけて分布するアゲハチョウ科のカバシタアゲハ、Chilasa agestor は、翅の模様がアサギマダラによく似ている。これは毒を持つアサギマダラに擬態(ベイツ゚擬態)することで、敵に食べられないように身を守っていると考えられる。
 
分布
   日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布する。分布域の中でいくつかの亜種に分かれていて、このうち日本に分布するのは亜種 P.s.niphonica とされる。
 
   標高の高い山地に多く生息する。九州以北で成虫が見られるのは5月から10月くらいまでだが、南西諸島では逆に秋から冬にかけて見られる。
 
 
 
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藤袴真白は蝶の好みなる
(ふぢばかまましろはてふのこのみなる)
 
 
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移動
   アサギマダラの成虫は長年のマーキング調査で、秋に日本本土から南西諸島・台湾への渡り固体が多く発見され、または少数だが初夏から夏にその逆のコースで北上している固体が発見されている。日本本土の太平洋沿岸の暖地や中四国・九州では幼虫越冬するので、春から初夏に本州で観察される固体の多くは本土で羽化した固体と推測される。
 
   移動の研究は、捕獲した成虫の翅の半透明部分に捕獲場所・年月日・連絡先などをマジックインキで記入(マーキング)、放蝶するという方法で固体識別を行う。このマーキングされた固体が再び捕獲された場所・日時によって、何日で何km移動したか、あるいは同所で捕獲した場合何日そこに居たかが分かる。調査のための『アサギマダラネット』のインターネットによる電子ネットワークがあり、その日のうちに移動情報が確認てきることもある。調査のための捕獲手段として、白いタオルの一方をつかんでぐるぐる回すとアサギマダラが寄ってくることが知られる。利き手で網を持ち逆の手でタオルを回すと捕獲しやすい。
 
   研究者達によって、夏に日本本土で発生したアサギマダラのうち、多くの固体が秋になると南西諸島や台湾まで南下することか判明したものの、集団越冬の場所や大量に死んでいる場所も見つかっていない。南西諸島で繁殖、もしくは本土温暖地で幼虫越冬した固体は春の羽化後にその多くが、次の本土冷涼地での繁殖のために北上の傾向にあることが明らかになった。
 
   この秋の南下の中には直線距離で1,500km以上移動した固体や、1日あたり200km以上の速さで移動した固体もある。具体的な事例として2009年には、岐阜県下呂市で放蝶した人と兵庫県宝塚市でその固体を捕まえた人が、2年続けて双方とも同じ人物だった。なお、その固体は9月下旬に放蝶され10月12日に捕まえられた。
 
   2011年8月19日に「道南虫の会」が北海道函館市近郊の山から放蝶した「アサギマダラ」が、2011年10月24日に山口県下関市の市立公園・リフレッシュパーク豊浦のバタフライガーデン「蝶の宿」に飛来し捕獲された。「アサギマダラ」は再び放された。
 
   2011年10月10日に和歌山県から放たれたマーキングしたアサギマダラが、83日後の12月31日に約2,500km離れた香港で捕獲された。途中高知県でも捕獲されていて、世界第2位の長距離の移動が確認された。
 
   児童図鑑でのアサギマダラの渡り行為の紹介以来、春から初夏に日本本土で観察する固体がすべて南西諸島以南から渡ってくるとされたが、これは間違いである。
 
保全状況評価
   千葉県のレッドリストで準絶滅危惧と評価されている。
 
近縁種
・タイワンアサギマダラ Parantica melaneus
・ヒメアサギマダラ Parantica aglea maghaba 
 
と説明されています。
 
 
朝に来て亭午に去りぬ秋の蝶
(あさにきてていごにさりぬあきのてふ)
[注・「ていご」とは古語で、正午、の意]
 
 
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ご完読ありがとうこざいました。
(梨雨)
 

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