「花譜の館」へようこそ。
西ありて崖の浜木綿乱れ髪
(にしありてほきのはまゆふみだれがみ)
[注・それぞれ古語で、「にし」とは西風、「ほき]とは崖、の意]
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「花譜の館」へようこそ。
本日のテーマの花は、今月16、17に遠賀郡芦屋町山鹿の夏井ヶ浜で撮影した、浜木綿(はまゆう)です。まだ梅雨明けしない16日、行ってみて驚いたことに、いつの間にか、浜木綿の自生群生落を保護する目的で鉄柵ができていました。という訳で中に入り込んでの撮影は無理で、昨年、早々に梅雨明けした7月6日、11日若い咲き始めを撮影し、13日に浜木綿(はまゆう)の花の題目で投稿したブログは貴重なものとなりました。
今月16日、早朝に行った際には、花は見ごろでしたが群生落にエノコロ草が生え、鉄柵の外から撮影には難渋しました。翌17日午後に行った際には、梅雨の曇り空も一気に晴れ渡り、梅雨明けしたのではと思うような碧い空がのぞきはじめましたが、肝心の浜木綿はもう朽ちたところが目立ち始め、エノコロ草も伸び放大で浜木綿の単独での撮影は無理で、遠景の蒼い空、藍い海が主役の撮影となりました。
好条件はそうないものです。しかし、そこをなんとかまとめるのも腕というものでしょう。
7月27日の日誌
本日(7月27日)は、朝から曇り時々晴れの天候で、午後になって晴れ間も広がり始めました。未明に投稿の浜木綿(はまゆう)は待機画面ですが、画像のできばえが気になり、給油、買い物、を終え夏井ヶ浜に廻りました。磯は親子連れの海水浴で賑わいを見せていました。そんな中、黙々と浜木綿と、その風景写真の撮影に勤しみました。午後4時近くになっても、磯は賑わっていました。
久しぶりに、写真店にいき、今撮った夏井ヶ浜の画像をLサイズに焼き付け帰宅しました。未明に開いた、浜木綿のブログの画面に、早速修正し、画像の入れ替えを行いました。
はまゆふの夏井ヶ浜にて雲払ふ
(はまゆふのなついがはまにてくもはらふ)
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夏井ヶ浜の群生落の表札によりますと
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福岡県指定天然記念物
夏井ヶ浜の浜木綿自生群落
(なついがはまのはまゆうじせいぐんらく)
遠賀郡芦屋町大字山鹿705番地
昭和35年4月12日指定
浜木綿(はまゆう)は「ヒガンバナ科ハマオモトのことで、常緑の多年生草本。
7・8月ごろ開花し、白い花びらは清楚で気品があり、芳香を放つ。
南方の原産で、種子が暖流に乗って漂着繁殖したものといわれ、自生群落としては、
ここが九州では北限である。
万葉集にも浜木綿を詠んだ柿本人麿の一首があるように、古代歌人にも愛された花である。
昭和52年1月
芦屋町教育委員会
と説明されています。
浜木綿の咲いて虜囚となりにけり
(はまゆふのさいてりょしゅうとなりにけり)
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ハマユウ
インターネットの 季節の花300 によりますと
浜木綿
(はまゆう)
浜万年青
(はまおもと)
科
ヒガンバナ
学名
Crinum asiaticum var. japonicum
Crinum : ハマオモト属
asiaticum : アジアの
japonicum : 日本の
Crinum (クリナム) は、ギリシャ語の「crinon(ユリ)」から
開花時期
7/10~9/末頃
海岸近くに植えられる。
浜辺に生え、白色の花を
「木綿(ゆう)」
(コウゾの皮から採った繊維で、神事のとき榊につけて垂れ下げたもの)
に見立てたことから
実におもしろい咲き方をする。
実の形もユニーク
宮崎県の県花(浜木綿)
別名
「浜万年青」
(はまおもと)
み熊野の浦の浜木綿百恵なす 心は思えど直に逢はぬかも
(みくまののふらのはまゆふももへなす こころはもえどただにあはぬかも)
『万葉集』
柿本人麻呂
と説明されています。
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俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
浜木綿
(はまゆう) (はまゆふ)
はまおもと
ハマオモト ユリ科(ヒガンバナ科)
ハマオモトといえば、学生のころによく耳にした「ハマオモト線」を思い出す。ハマオモトは、房総半島から外海
(そとうみ)沿いに山口県、九州、沖縄県まで分布していて、分布域の北側をつないだ線は、年平均気温14度(または、最低気温マイナス3,5度)の等温線に一致する。
ヒガンバナに近縁だが、常緑の多年草で、帯状の葉は海辺の植物らしく分厚くて光沢があり、オモトに似ているとからこの名がついた。別名のハマユウは万葉の時代から親しまれ、この名の由来について本居宣長(もとおりのりなが)は、随筆集『玉勝間(たまかつま)』に「白く垂れる花の姿が木綿(ゆう)に似ているからだろう」と書いている。木綿とは、クワ科のコウゾの樹皮からとった繊維である。さらに、白色で円柱形の鱗茎(りんけい)を白い木綿にたとえたとする説もある。
高さ50~100センチで、多数の葉を根ぎわから広げる。7~9月、茎の先に芳香のある白い花が20個ほど咲く。韓国の済州島、中国南部、東南アジア、インドにも分布する。 < 清水健夫 >
と説明されています。
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浜木綿や荒磯へ下る女ある
(はまゆふやありそへくだるおんなある)
[注・「ありそ」とは古語で「あらいそ」が転訛したもので、波が強く打ち寄せる磯、の意]
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なお、昨年の7月13日投稿の
浜木綿(はまゆう)の花
の搭載句は
浜木綿や潮騒調ふ夏井ヶ浜
はまゆうの白空の蒼海の藍
はまゆうの咲いて気高きわたのはら
です。
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昨年度1番人気のあったブログです。
ご完読ありがとうございました。
(梨雨)