今日の一景
(82)
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四季の風景
夏
蓮
(はす)
Ⅱ
吹き巻くも泰然自若の蓮の花
(ふきまくもたいぜんじじゃくのはすのはな)
[注・「ふきまく」とは古語で、風が激しく吹く、
「たいぜんじじゃく」とは、落ち着いて物事に動じないさま、の意]
1
ハス
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
季語
蓮
(はす)
蓮華(れんげ) はちす 蓮の花(はすのはな)
白蓮(びゃくれん) 紅蓮(べにはちす) 蓮見(はすみ)
蓮見舟(はすみぶね) 蓮池(はすいけ) 蓮の葉(はすのは)
蓮の浮羽(はすのうきは)
ハスの花 ハス科
盛夏の列日の下、大きな楯形の葉から抜きんでて咲く「蓮華(れんげ)」は、清らかですがすがしい。花の直径は10~25センチ。肩を並べて宝珠(ほうじゅ)の形をした蕾は、まだ色をおび、20数個の花被片(かひへん)が、きれいにらせん状に重なっている。
はちすばのにごりにしまぬ心もて なにかはつゆをたまとあざむく
(僧正遍照)
と『古今和歌集』にあるように、花だけでなく、水面をおおう葉もまた汚れを知らない。蓮の表面にはびっしりと微細な毛が密生していて、水をはじくからである。はじかれて葉の中心に集まった水の玉は、大きくなれば転がり落ち、小さければしきりに動いてやがて霧消する。
ハスは古く中国から移入されたという見方がある。しかし、2000年前の古代、ハスの種子が出土したり、各地で化石も見つかったりしているので、日本に自生していたことは間違いない。ただ、現在見られるハス池の、どれが自生のものかを言い当てるのは至難のことである。あるいは自生絶滅かもしれない。
と説明されています。
2
蓮散るや夕方に嵐過ぎにける
(はすちるやゆふべにあらしすぎにける)
[注・「ゆふべ」とは古語で、昨夜、昨夕、前夜、の意]
3
蓮咲くや洪河の西の風落つる
(はすさくやこうがのにしのかぜおつる)
[注・それぞれ古語で、「こうが」とは大きな川、大河、「かぜおつ」とは風がぴったりと止む、の意]
4
5
6
ご完読ありがとうございました。
(梨雨)