今日の一景
(428)
四季の風景
秋
浅葱斑
来福
花
藤 袴
(ふじばかま)
&
渡り蝶
浅 葱 斑
(あさぎまだら)
風吹けば蝶の宿るや藤袴
(かぜふけばてふのやどるやふぢばかま)
注
「やどる」とは古語で、留まる。とまる。
の意
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インターネットの ウィキぺディアフリー百科事典 によりますと
アサギマダラ
目
チョウ Lepidoptera
(鱗翅)
上科
アゲハチョウ Papilionoidea
科
タテハチョウ Nymphalidae
亜科
マダラチョウ Danainae
属
アサギマダラ Paranantica
種
アサギマダラ P. sita
学名
Parantica sita (Kollar. 1844)
和名
アサギマダラ
英名
Chestnut Tiger
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生活史
幼虫はガガイモ科のギジョラン、カモメヅル、イケマ、サクラランなどを食草とし、卵は食草の葉裏に産みつけられる。幼虫は黒の地に黄色の斑点が4列に並び、その周囲に白い斑点がくさんある。また、前胸部と尾部に2本の黒い2本の黒い角をもつ。関東以西の沿岸付近などでは、冬が近づくと常緑性であるギジョランに産卵され、2~3齢程度の幼虫で越冬する。蛹は垂蛹型で、尾部だけで逆さ吊りになる。蛹は青緑色で、金属光沢のある黒い斑点がある。
幼虫の食草になるガガイモ科植物はどれも毒性の強いアルカロイドを含む。アサギマダラはこれらのアルカロイドをとりこむことで毒化し、敵から身を守っている。アサギマダラは幼虫・蛹・成虫とどれも鮮やかな体色をしているが、これは毒を持っていることを敵に知らせる警戒色と考えられている。また、成虫のオスがよく集まるヒヨドりバナやフジバカマ、スナビキソウなどには、ピロリジジンアルカロイド(PA)が含まれ、オスは性フェロモン分泌のためにピロリジジンアルカロイドの摂取が必要と考えられている。
インド北部から東南アジア、インドネシアにかけて分布するアゲハチョウ科のカバシタアゲハ、Chilasa agestor は、翅の模様がアサギマダラによく似ている。これは毒を持つアサギマダラに擬態(ベイツ゚擬態)することで、敵に食べられないように身を守っていると考えられる。
分布
日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布する。分布域の中でいくつかの亜種に分かれていて、このうち日本に分布するのは亜種 P.s.niphonica とされる。
標高の高い山地に多く生息する。九州以北で成虫が見られるのは5月から10月くらいまでだが、南西諸島では逆に秋から冬にかけて見られる。
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移動
アサギマダラの成虫は長年のマーキング調査で、秋に日本本土から南西諸島・台湾への渡り固体が多く発見され、または少数だが初夏から夏にその逆のコースで北上している固体が発見されている。日本本土の太平洋沿岸の暖地や中四国・九州では幼虫越冬するので、春から初夏に本州で観察される固体の多くは本土で羽化した固体と推測される。
移動の研究は、捕獲した成虫の翅の半透明部分に捕獲場所・年月日・連絡先などをマジックインキで記入(マーキング)、放蝶するという方法で固体識別を行う。このマーキングされた固体が再び捕獲された場所・日時によって、何日で何km移動したか、あるいは同所で捕獲した場合何日そこに居たかが分かる。調査のための『アサギマダラネット』のインターネットによる電子ネットワークがあり、その日のうちに移動情報が確認てきることもある。調査のための捕獲手段として、白いタオルの一方をつかんでぐるぐる回すとアサギマダラが寄ってくることが知られる。利き手で網を持ち逆の手でタオルを回すと捕獲しやすい。
研究者達によって、夏に日本本土で発生したアサギマダラのうち、多くの固体が秋になると南西諸島や台湾まで南下することか判明したものの、集団越冬の場所や大量に死んでいる場所も見つかっていない。南西諸島で繁殖、もしくは本土温暖地で幼虫越冬した固体は春の羽化後にその多くが、次の本土冷涼地での繁殖のために北上の傾向にあることが明らかになった。
この秋の南下の中には直線距離で1,500km以上移動した固体や、1日あたり200km以上の速さで移動した固体もある。具体的な事例として2009年には、岐阜県下呂市で放蝶した人と兵庫県宝塚市でその固体を捕まえた人が、2年続けて双方とも同じ人物だった。なお、その固体は9月下旬に放蝶され10月12日に捕まえられた。
2011年8月19日に「道南虫の会」が北海道函館市近郊の山から放蝶した「アサギマダラ」が、2011年10月24日に山口県下関市の市立公園・リフレッシュパーク豊浦のバタフライガーデン「蝶の宿」に飛来し捕獲された。「アサギマダラ」は再び放された。
2011年10月10日に和歌山県から放たれたマーキングしたアサギマダラが、83日後の12月31日に約2,500km離れた香港で捕獲された。途中高知県でも捕獲されていて、世界第2位の長距離の移動が確認された。
児童図鑑でのアサギマダラの渡り行為の紹介以来、春から初夏に日本本土で観察する固体がすべて南西諸島以南から渡ってくるとされたが、これは間違いである。
保全状況評価
千葉県のレッドリストで準絶滅危惧と評価されている。
近縁種
・タイワンアサギマダラ Parantica melaneus
・ヒメアサギマダラ Parantica aglea maghaba
と説明されています。
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俳句上
蔵書の 必携・季語秀句用字用例事典・齊藤慎爾、阿久根末忠編・柏書房 によりますと
季語
あさぎまだら
(浅黄斑蝶) (浅黄斑)
季
三春・動物
類
蝶
記載されています。
ここで、特筆することは、アサギマダラ(浅葱斑)は春の季語で、しかもアサギのギは黄を用いていることです。
よって作句で春の季節感を出す際は浅黄斑を用いるべきですが、
秋の列島南下を表現する際、漢字を用いる際は浅葱斑を使用してもさしつかえないと思います。
浅葱斑で、秋を表現できないとなれば、それこそ、
季語
藤袴
初秋
が効果を上げることになるでしょう。
よって、浅葱斑と藤袴を一句に用いても、季語は藤袴のみで秋の句となるのです。
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過去、本ブログ上に投稿した句を紹介します。
i2016年10月22日
一年や浅葱斑の世を継ふ
(ひととせやあさぎまだらのよをつがふ)
2015年10月27日
花と蝶厭はしき世を憚らず
(はとてふいとはしきよをはばからず)
蝶去りて人も去りけり藤袴
(てふさりてひともさりけりふぢばかま)
2015年10月26日
破るれどあへて南へ飛ぶや蝶
(やぶるれどあへてみなみへとぶやてふ)
2014年10月14日
秋深し一年一度の花と蝶
(あきふかしいちねんいどのはなとてふ)
蜜月に形振り構はで花と蝶
(みつげつになりふりかまはではなとてふ)
溢れたる蝶藤色の藤袴
(あふれたるてふふぢいろのふぢばかま)
最後に今は亡き巨星の句を紹介します。
それは、カメラマンでもある、
J_jilow_2nd氏が
2016年10月22日投稿の記事に対し
コメントの中に打ち込まれていたものです。
海渡る蝶のちからや藤袴
(うみわたるてふのちからやふぢばかま)
J_jilow_2nd
慎んで故人のご冥福をお祈り申しあげます。
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全ての画像は、2017年10月26日、北九州市立白野江植物公園・花の谷にて撮影したものです。
過去の記事は、右の検索欄に
花と蝶
と打てばページが出ますので、画像とともにお楽しみください。
本日のお運びまことにありがとうございました。
梨雨