「花譜の館」へようこそ。
朝雨に宥められたる諸葛采
(あささめになだめられたるしょかつさい)
[注・「あささめ」とは、朝の雨、の意]
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「花譜の館」へようこそ。
本日(4月14日)は、朝から快晴、昨日の雨が大気中の塵など汚染物質を洗い流したのか久しぶりに真青な空でした。
私は、市立白野江植物公園へ急ぎ車を出しました。本日の撮影の狙いは淡緑色の花をつける鬱金(うこん)や御衣黄(ぎょいこう)といった桜で、満足のいく咲きぶりで、真青な空に映えており、いかんなく撮影しました。
他に、桜(さくら)数種、久留米躑躅(くるめつつじ)、牡丹(ぼたん)、花蘇芳(はなずおう)、など相当な数の花を撮影しました。
この日は、天気も良いことから、桜を撮影しながら、リハビリを兼ねて展望台に登り、周防灘の海の景色を眺望しました。かすかに国東半島が見えていました。
そうして、展望台から下り、午後4時ごろまで撮影しつづけ、園を後にしました。
本日投稿のテーマの花は、ここ約2か月にわたって植物公園の落葉の森で撮影し続けてきた、オオアラセイトウこと紫花菜(むらさきはなな)で、諸葛菜(しょかつさい)とも呼ばれている、アブラナ科の花です。
押し靡べて大紫羅欄花葛折り
(おしなべておおあらせいとうつづらおり)
[注・「おしなべて」とは、一面に、一様に、すべて、「つづらおり」とは、幾重にも曲がりくねった坂道、の意]
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オオアラセイトウ
インターネットの ウィキぺディアフリー百科事典 によりますと
目
アブラナ・Brassicales
科
アブラナ・Brassicaceae
属
オオアラセイトウ・Orychophragmus
種
オオアラセイトウ・O.violaceus
学名
Orychophragmus violaceus
(L.) O.E.Schulz (1916)
和名
オオアラセイトウなど
[オオアラセイトウ]
オオアラセイトウ(大紫羅欄花)は、アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草。別名にショカツサイ(諸葛菜 : 諸葛孔明が広めたとの伝説から)、ムラサキハナナ(紫花菜)。このためOrychophragmus属はショカツサイ属、ムラサキハナナ属とも呼ばれる。
ハナダイコン(花大根) (カブ)とも呼ばれることがあるが、この名前は花の外観が類似した同科ハナダイコン属の Hesperis matronalis にも与えられているため混乱が見られる(ダイコンが野生化したハマダイコンとも別種)。
[概要]
原産地は中国で、東部に分布し、東北および華北地区では普通に見られる。ヨーロッパ南部に帰化しているほか、日本では江戸時代に輸入されて栽培されたものが野生化し、全土でみられる。
[形態]
根生薬と茎下部の葉は羽状深裂し、基部は心形で、縁に鈍い鋸歯がある。上部の葉は長楕円形あるいは倒卵形で柄を持つ。基部は耳状で茎を抱き、縁には不揃いの鋸歯がある。花は茎先につく総状花序で、薄紫色の花弁には細い紋様がある。花期の後期では徐々に花弁の色が薄くなり、最終的には白色に近くなる。稀に白花もある。花弁は4枚が十字状に付き、長さは各1-2cm程度、先端に3-mmの爪状の突起を持つ。雄蕊は6本で花糸は白色。葯は黄色である。萼(がく)は細長く径3mmほどの筒状で花と同じく紫色。果実は先端に細長い突起をもつ長角果をつける。果実は4本の筋を持ち、内部に黒褐色の種子を多数つける。熟すと自然に裂けて開き種子を弾き出す。種子から芽生えたばかりの頃本葉は腎形をし、寒さに当たり花芽が分化するとやがて切れ込みが生じる。
[生態]
2月頃から成長を始め、3月から5月にかけて開花する。最盛期には50cmくらいまで直立する茎を伸ばす。5月から6月頃に種子が熟し、自然に、散布される。一年草だが繁殖力は強く、花が咲いて種が散布されると、翌年からは定着しやすい。
侵入生物データベース※1によれば、日本には鑑賞用および油を採取するため、遅くとも19世紀末には導入され、20世紀中頃から各地に広がった。戦前から戦後にかけて紫金草(シキンソウ)と称して広める活動をした人がいるという。同属では他に帰化した種はないとされる。農地の拡大や都市化の進行にっていったん衰退したスジグロシロチョウが、20世紀後期になって都市部を中心に個体群を増大させたのは、このチョウの食卓として好適なオオアラセイトウの分布拡大の影響が大きいといわれている。
[利用]
群生して開花する様はなかなか美しいため、庭などで栽培されることも多いが、道端や空き地でも普通によく育つ。若い葉は食べられるため、中国北部では野菜として栽培され、種子からはアブラナと同様に油を採取すこともある。
と説明されています。
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俳句上
いつもの 花の俳句図鑑 にりますと
季語
諸葛菜
(しょかつさい)
仲春
むらさきはなな おおあらせいとう 菲息菜(ひそくさい)
[植物・特徴]
中国原産で日本へは江戸時代に渡来した。観賞用に栽培されるが、野生化しているものも多い。3~5月、径2~3センチの淡紫色の4弁花をつける。花には芳香がある。諸葛菜は同じアブラナ科のカブラの別名が転用されたもので、三国時代の蜀の諸葛孔明が栽培を奨励したことによる。「花大根」とすることもある。
[作句のポイント]
同じ「花大根」でもダイコンの花とは違うので、混同しないように注意が必要。
と説明されています。
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高い位置は山茱萸(さんしゅゆ)の花です。
庭園・芦屋釜の里の立礼席にて
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公に風の撫ぜをり諸葛菜
(おほやけにかぜのなぜをりしょかつさい)
[注・「おほやけ」とは古語で、公平、の意]
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紫花菜五十歩百歩の背比べ
(むらさきはななごじっぽひゃっぽのせいくらべ)
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月例の村の寄り合い花大根
(げつれいのむらのよりあいはなだいこん)
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上段は三椏(みつまた)の花です。
(梨雨)