今日の一景
(343)
「花譜の館・別館」へようこそ。
稔りの風景
冬
がまずみ
の
実
がまずみの実いと匂ひて明らべり
(がまずみのみいとにほひてあからべり)
[注
それぞれ古語で
「いと」とは非常に
「にほう」とは、
美しい色に染まる。あざやかに色づく。つやつやと美しく映ずる。艶麗(えんれい)である。
「あからぶ」とは
心を晴らす。
の意]
1
ガマズミ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
ガマズミ
[がまずみ]
学名
Vibumum dilatatum
分類
スイカズラ科 ガマズミ属
開花時期
5~6月
花の色
白
名前の読み
がまずみ
分布
北海道南部から九州
朝鮮半島
生育地
山野、庭木
植物のタイプ
樹木
大きさ・高さ
2~4メートル
花の特徴
枝先に散房花序 ( 柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部ほぼ平らになる ) を出し、白い花をたくさんつける。
花径は直径5ミリくらいで、先は5つに裂ける。
雄しべは5本である。
葉の特徴
葉は幅の広い卵形ないし円形で、向かい合って生える ( 互生 ) 。
葉には柄があり、縁にはぎざぎざ ( 鋸歯 ) がある。
葉の両面に毛が生えている。
実の特徴
実は楕円形の核果 ( 水分を多く含み中に種が1つある ) で、秋には赤く熟する。
実は甘酸っぱく生食ができ、果実酒としても利用される。
その他
漢字では 「 莢 *」 ( * = クサカンムリ + 迷 」 と書く。
属名の Vibumum は 「 拡大した 」 という意味である。
と、解説されています。
2
がまずみの傍ら過ぎりて頂へ
(がまずみのかたはらよぎりていただきへ)
3
4
5
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・秋 によりますと
季語
がまずみ の実
莢蒁の実
(がまずみのみ)
ガマズミ スイカズラ科
秋も盛りのころ、里山の木々の間にガマズミの実が赤く色づく。その実を花序ごとつかみとり、口いっぱい頬ぱって甘酸っぱい味を楽しんだ想い出をもつ人は多いだろう。実は果実酒としても人気がうあり、焼酎を透き通った真赤な色に染める。それにしても、ガマズミとは奇妙な名だが、植物和名研究家・深津正は、中国名の莢蒁 ( ケフメイ ) がカメになり、カメにズミがついてガマズミに転訛したのだろうと述べている。
高さ3~5メートルの落葉低木。枝はしなやかで折れにくく、刈った柴などを束ねるのに。また、材は硬くて鎌や鍬 ( くわ ) などの柄に利用される。花期は5月下旬から6月、花はやや黄色がかった白色、直径5~8ミリで、散房花序にたくさんつき、においに誘われてハナムグリなどの昆虫が頻繁に訪れる。花期は9~11月。果実は長さ6~8ミリで、中に硬くて平たい核がある。北海道から九州までのほか、朝鮮半島、中国に分布する。
旨、解説されています。
がまずみの実ぞあはれ葉のしな垂れて
(がまずみのみぞあはれはのしなだれて)
[注
「あはれ」は古語で、本句の場合
心がひきつけられ、おもしろい。美しい。
の意]
がまずみの実葉も紅に染め上げき
(がまずみのみはもくれなひにそめあげき)
6
周防灘がまずみの実のたわわなる
(すほうなだがまずみのみのたわわなる)
注・「たわわ:(形動ナリ)」とは古語で、たわむさま。しなうさま。
7
本ブログは全て、北九州市立植物公園の竹林沿いにて撮影したものです。
1、2、5、7は10月31日の陰暦の秋に、
3、4、6は12月6日の陰暦の冬に、
撮影したものです。
本ブログの題目は冬としましたが、俳句は季語どおり秋の感覚で御読み下さい。
あしからず。
ご完読まことにありがとうございました。
梨雨