一期一会
(10)
「花譜の館・別館」へようこそ。
今日の花
夏
昼顔
(ひるがお)
昼顔の垣間見たる数寄屋かな
(ひるがほのかいまみたるすきやかな)
[注・それぞれ古語で、
「かいまみる」とは物の隙間から中をこっそりのぞき見る。
「すきや」とは茶の湯を行うための小さな茶室。
の意]
初案
垣根より昼顔一輪小茶室
(かきねよりひるがほいちりんしょうちゃしつ)
「芦屋釜の里」には、
吟風亭という本来の茶室(小茶室)
蘆庵という(大茶室)
立礼席
の3つの茶室があります。
この句の「数寄屋」は、吟風亭のことです。
1
ヒルガオ
Calytegia japonica
人里近くの道端や藪に普通に見られる
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
ヒルガオ
[昼顔]
学名
-
開花時期
5~6月
花の色
赤
名前の読み
ひるがお
分布
原産地は日本
北海道から九州
海外では、朝鮮半島や中国にも分布している。
生育地
道端や日当たのよい草地
植物のタイプ
多年草
大きさ・高さ
-
花言葉
優しい愛情、和やかさ
誕生花
6月
花の特徴
花径5~6センチくらいの淡い紅色をした漏斗形の花を咲かせる。名前は昼間に花が咲くことからきているが、場所によっては朝のうちから開花している。夕方にはしぼんでしまう一日花である。
葉の特徴
葉は長さ10~15センチくらいの三角形をしており、先は丸みがあり、根元は左右両側に突き出る。互い違いに生える。
その他
万葉集にも容花 ( かほばな ) の名で登場する。干して利尿薬する。なお、近縁種に西洋昼顔 ( セイヨウヒルガオ ) がある。見分けるポイントは苞の位置である。昼顔 ( ヒルガオ ) は萼の上に大きな苞が2枚ある。西洋昼顔( セイヨウヒルガオ ) は花柄の中間に小さな苞がある。
と解説されています。
2
3
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
季語
昼顔
(ひるがお) (ひるがほ)
ヒルガオ ヒルガオ科
梅雨のころに咲くので、地方によっては雨降花 ( あめふりばな ) とよぶところも多く、『 万葉集 』 には 「 かほばな ( 顔花 ) 」 の名で登場する。日当たりのよい荒地や土手、畑地でさかんに蔓を伸ばして広がる。
この暑き日焼けの畑の土の上に 這え広がるは昼顔の花
大田水穂
花はアサガオに似てろうと形。しかし朝方にだけ開くアサガオ、夜になると開くユウガオと異なり、日が昇れば開き、夕方には閉じる一日花である。雨が降ると、ろうとの中に水を溜めて、時にはあふれるほどにもなる。それでも、4、5本ある雄しべはしっかりとくっつきあって開かず、柱頭は多くの花では雄しべに囲まれるので、雨に傷むことがない。
蔓性の多年草。地下茎は直径3~4ミリで再生力が強く、鍬 ( くわ ) で寸断されても断片からも新しく芽を出す。蔓は上から見て左巻き、蕾は右巻きにねじれる。花期は6~7月で、淡紅色の花が長い柄 ( え ) の先に1個ずつつく。種子はなかなかできない。北海道から九州までのほか、朝鮮半島、中国にも分布する。中国名は旋花。
と解説されています。
昼顔や年金請求尽くしける
(ひるがほやねんきんせいきゅうつくしける)
[注・「つくす」とは古語で、終わる。の意]
今年4月21日に他界した母の、支給されるべき遺族年金の4月分の未支給年金請求手続きを先月29日、
雨をおして、年金事務所にて終えました。
かなり、難しい手続きでしたが、やり遂げたという達成感に満ち溢れました。
その、駐車場の垣根の上に生る、雨に打たれて萎びれた昼顔が印象的で、忘れられない想い出となりました。
4
ご完読ありがとうございました。
梨雨