今日の一景
(117)
「花譜の館・別館」へようこそ。
四季の風景
冬
鳶
(とび)
敷島の大和の空を鳶の守る
(しきしまのやまとのそらをとびのもる)
[注・それぞれ古語で、「しきしま」とは大和にかかる枕詞、「やまと」とは倭=日本、「もる」とは守る、の意]
1
この日、紫式部の実を撮影し、庭園の白いサルスベリを撮影中に、
ふと見上げると碧空を、ぐるぐると、鳶が回っているではありませんか。
持参の200mmズームレンズ装着のCanon70Dで、幾度も旋回していかにも撮影してくれといはむばかりの
鳶を撮影しました。
季語
鳶
(とび)
私愛用の 必携・季語秀句用字用例事典 柏書房によりますと
とび
鳶・鴟・鴟
季
三冬・動物。
とんび。
-が鷹を生む。-の者。
類・鷹
と説明され、
例句として
落月に鴟尾すさまじや山の寺 西山白雲
小春鳶とろりと啼けり古墳山 文狹夫佐恵
鴟のひかりは繊き男の指とおもう 飯田龍太
わがむかし一羽の鳶や今は鷗 福田葉子
鷹の座に鳶来て日暮れなり 角川春樹
が登載されています。
2
蔵書の 山渓ハンディ図鑑7・日本の野鳥 によりますと
トビ
Black Kite
タカ目 / タカ科
Milvus migrans
鷹/60cm
時期
留鳥。南西諸島ではまれな冬鳥。
環境
海岸線から高山まで。
行動
繁殖期はつがいで行動し、高木の枝上に巣を作る。
非繁殖期は群れで行動し、朝方に集団ねぐらの林から飛び立って栽植場へ向かい、匙肉やカエル、
昆虫類、ミミズ、人間の捨てた残飯、水産加工場の廃棄物などを食べる。
よく上空を輪を描きながら数羽から数十羽で飛び、地上の食べ物を探す。
鳴声
「ピーヒョロロロ」「ピーヒョヒョヒョ」と鳴く。ふだんでもよく鳴くが、繁殖期にはさらによく鳴く。
威嚇の声は「ピーピピピピ」と鋭い。
特徴
雌雄同色。
成鳥は全体が茶褐色で、上面には淡色の羽縁がある。
飛翔時の下面も茶褐色。初列風切の外側数枚の羽先は黒褐色で、基部は白い。
この白色が大きな白斑になって目立つ。
他の初列風切と次列風切には黒褐色のタカ斑がある。
幼鳥は全体の斑が成鳥より太く淡色で、白っぽく見える。
と説明されています。
庭園の上空碧し鳶旋転
(ていえんのじょうくうあをしとびせんてん)
[注・「せんてん」とは、めぐる、ぐるぐるとまわる、の意]
3
4
ご完読ありがとうごさいました。
(梨雨)