「花譜の館」へようこそ。
睡蓮の影定まるや未刻
(すいれんのかげさだまるやひつじどき)
[注・それぞれ古語で、「かげ」とは水面・鏡などに映る姿・形
「ひつじ」とは時刻の名で、午後2時および、その前後2時間。一説に午後2時からの2時間。]
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「花譜の館」へようこそ。
本日は、8月22日に続き、訪問者数のべ30000名突破を記念して、睡蓮(すいれん)Ⅱとして、日本の睡蓮(すいれん)の未草(ひつじぐさ)を投稿します。
未草(ひつじぐさ)については、解説がまちまちで、はっきりとは申し上げられません。
どうも白とは限らないということです。その点、色につき明確に述べられているサイトがないのです。ただ唯一言えることは、温帯性昼咲き睡蓮であり、日本の池に咲く種は、この未草(ひつじぐさ)の変種であろうと思われます。
睡蓮Ⅰ
ウィキペディアフリー百科事典
参照
とにもかくにも睡蓮の水上に浮かぶようにして咲く姿は、かの画家の「モネ」も愛し描き続けたほどで、日本人のみなみならず世界の人のお気に入りの花であることには間違いなさそうです。
8月23日
の
日誌
後 述
水底は縺れているらし未草
(みなぞこはもつれているらしひつじぐさ)
2
どんみりとして雲と戯るる未草
(どんみりとしてくもとたはぶるるひつじぐさ)
[注・それぞれ古語で、「どんみり」とは古語で、空が曇ってうす暗いさま、「たはぶる」とは戯れる、の意]
3
4
ヒツジグサ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
ヒツジグサ
花名
未草
科名
スイレン
属名
スイレン
学名
Nymphaea tetragona
分布
北海道から九州。
海外では、中国、台湾、シベリア、インド北部、ヨーロッパ、北アメリカなどに広く分布
生育地
池沼
植物のタイプ
多年草
大きさ・高さ
20~50センチ
開花時期
5~10月
色
□
誕生花
7月24日
花言葉
清純な心
花の特徴
花茎の先に花茎5センチくらいの白い花をつける。花弁は8枚から15枚くらいである。萼片は4枚、雄しべはたくさんある。一つの花は3日咲いた後、水中に沈んで実をつける。
葉の特徴
葉は根際から生えて水面に浮く。円形でつけ根の部分はやじり形に深く切れ込んでいる。
実の特徴
花の後にできる実は液果 (果皮が肉質で液汁が多い実) である。
その他
和名の由来は、未の刻 (午後2時) ごろに開花するということからきている。実際には午前中に花を開き、夕方にはしぽむ。俳句の季語は夏である。
と説明されています。
が
基本データの花色の欄については
□
となっており、検討中であることが窺われます。
葉の上に影を乗せたり未草
(はのうへにかげをのせたりひつじぐさ)
5
6
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・夏 によりますと
睡蓮
とは特別の頁を設けて
季語
未草
(ひつじぐさ)
ヒツジグサ スイレン科
低山から亜高山までの、水深10~50センチほどの比較的浅い沼地に生える。ときには、広大な水面を埋め尽くして葉を浮かべ、あちこちに白い花をのぞかせている。花は午前中にゆっくりゆるみ、名のとおり未の刻 (ひつじのこく・午後2時) 前後には完全に開き夕刻には閉じる。しかし、1日花ではなく、数日間、開閉を繰り返した後にしおれる。
浮葉性の多年草で、葉や花は泥中の根茎 (こんけい) から直接伸びる。葉は深い心形か矢尻形で、後部はほとんど中心まで切れ込み、表面には微細な突起があって水をはじく。花期は6~9月。がく片、花弁、雄しべはらせん状に並んで、雄しべから花弁への移行が見られるなど、原始的な花をもつ。北海道から九州までのほか、ユーラシア大陸に広く分布する。中国名は睡蓮だが、日本では睡蓮は総称名として用いられる。< 清水健美 >
と説明されています。
未草水面の影も鯉の餌
(ひつじぐさみなものかげもこいのゑば)
[注・「ゑば」とは古語で、えさ、の意]
7
鯉が見えますか。
睡蓮の影を崩さぬ鯉のをり
(すいれんのかげをくづさぬこいのをり)
8
睡蓮の葉の間に甚き白さかな
(すいれんのはのまにいたきしろさかな)
[注・「いたし」とは、はなはだしくすぐれている、の意]
9
傍に巻葉率ゐて緋睡蓮
(かたはらにまきばひきゐてひすいれん)
[それぞれ古語で、「かたはら」とはそば、「率ゐる」とは連れる、の意]
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ご完読ありがとうございました。
(梨雨)