今日の一景
(361)
「花譜の館・別館」へようこそ。
稔りの風景
冬
万両
(まんりょう)
の
実
1
2
天外に飛び去る競ひや実万両
(てんがいにとびさるきほひやみまんりゃう)
[注・
「てんがい」とは天のそと。はるかな空。また極めて遠い所。極めて高い所。
「きほい」とは古語で、激しい勢い。
の意]
3
マンリョウ
インターネットの みんなの花図鑑 によりますと
マンリョウ
[万両]
学名
Ardisia crenata
分類
ヤブコウジ科 -属
開花時期
6~7月
花の色
白
名前の読み
まんりょう
分布
関東地方以南の本州から沖縄にかて分布。
海外では、朝鮮、中国、台湾、インドシナ、インド、マレーシアなどにも分布。
生育地
山地の林の中 庭木、鉢植え
植物のタイプ
樹木
大きさ・高さ
30~100センチ
花言葉
寿ぎ
誕生花
7月11日
花の特徴
白い小さな花が散状につく。
葉の特徴
葉は長い楕円形で、互い違いに生える。 ( 互生 ) 。
葉の縁には波状のぎざぎざ ( 鋸歯 ) がある。
実の特徴
晩秋に核果 ( 水分を多く含み中に種が1つある ) が赤く熟し、翌春まで木についている。
果実の色は普通は赤いが、栽培品種には白や黄色のもののある。
よく似た千両 ( センリョウ ) は実を枝先に上向きにつける。
その他
お正月の縁起物として、盆栽や切り花によく使われる。
俳句の季語は冬である。
旨、解説されています。
際々に物間はなし実万両
(きはぎはにものあひはなしみまんりやう)
[注・それぞれ古語で、
「きはぎは」とは各自の身の程、めいめいの分際。
「ものあい」とは二つのものの隔たり。距離。
の意]
4
にじり口の由来
インターネットの 茶の湯・徒然日記 によりますと
"にじる" ゛現代の日常生活ではほとんどしない日本らしい動き。正座をしたまま手をぐーに結んで親指で畳を押しながら体を前に進める。茶室には"にじり口" という小さな入り口がある。入るには頭を下げ、無理な姿勢を強いられるのに何故。
茶室に"にじり口"。見たこと、くぐったことがありますか。二尺二寸 ( 約66センチ ) 四方位の入り口。当然立って入れないので、膝を折って、頭を入れ、正座する形で入る。出る時もまず頭から出て足を出して外に出る。
( 出易いからといって足から出てはいけない )
" にしり口" には千利休が、大阪枚方の川にうかぶ舟を見て思いつかれたという。舟の上にある部屋なので入り口は狭く、頭を下げるよううにして入る。舟座敷は密談などの場面で時代劇でも時々出てくるので想像できるかと思います。
にじり口を入ったその先に広がる茶室という小さな非日常の空間、普通に和室に入るより鮮烈な清々しい印象がある。小さな戸口をくぐりぬけた時に目に入ってくる美しい床の間、釜の音。また部屋の中の客との緊張感というのもにじり口があってこそ深まるという気がした。
にじり口が誕生した同じ時代、能や歌舞伎などの芝居小屋に入る"ねすみ木戸"というのもまたかがみ、足を折りながら出入りする入り口だった。ねずみ木戸の先にもまた非日常があった。
両方とも、簡単に日常を持ち込むことを拒む入り口であり、無理をしてくぐり抜けることで新しい世界が開ける入り口であるという意味で共通点があるといえるのではないだろうか。
また、"にじり口"には、武士も商人も誰も身分の差なく、同じように頭を下げなければ入れない。茶室に入れば平等であるという意味も込められていたようだ。実際、武士も大切な刀をとらなければにじり口はくぐれず、にじり口の上には刀掛け ( かたながけ ) といって刀を預けておく掛け具がある。
利休という方はある意味すごい演出家だと思う。
旨、説明しています。
5
にじり口
俳句上
蔵書の 草木花・歳時記・冬 によりますと
季語
万両
(まんりょう) (まんりやう)
マンリョウ ヤブコウジ科
冬季の木々には、丸くて鈴なりになってつく赤い実が目立つ。なかでも、マンリョウは万両と書き、センリョウ科のセンリョウ ( 千両 ) と並んで縁起のよい木なので、正月用の鉢物にしたり、庭木にして実を観賞する。ヤブコウジ科には、十両がある。マンリョウは最高級の飾り実というこだろう。ちなみに、一両はツツジ科のアカモノとされる。
マンリョウは高さ1メートルほどになる常緑の直立小低木。葉は互生し、ふちが強く波打つのが特徴。7月ごろ、散形状の花序をつけ、10個前後の白色5弁の花が咲く。果実は直径6ミリほど。11月~12月には鮮紅色に熟し、ヒヨドリなどに食べられなければ、冬を越して4月まで楽しめる。実が黄色や白色に熟す品種があり、キミノマンリョウ、シロミノマンリョウとよばれる。関東地方以西の日本のほか、台湾、朝鮮半島、中国、東南アジア、インドに広く分布する。中国名は朱砂根。
と、解説されています。
6
背景は待合の間です。
7
8
9
亭主専用の次の間の出入り口です。
実万両茶室の柵の狭間より
(みまんりゃうちゃしつのさくのはざまより)
[注・「はざま」とは古語で、物と物との間の狭い所。すきま。の意]
10
11
本ブログの画像は、全て庭園・芦屋釜の里・小茶室・吟風亭(ぎんぷうてい)の庭にて撮影したもので
2、3、9、10は昨年(2015年)12月26日
1、4、5、6、8、11は翌27日
7は、本年(2016年)1月6日
ものです。
なお、2014年2月3日
URL
にて投稿しています。
句は
また一つ齢(よはい)重ねて実万両
万両や茶会に臨む黄八丈(きはちじゃう)
です。
宜しければ、上アドレスをクリックしてご覧ください
ご完読ありがとうございました。
梨雨